人生は花鳥風月

森羅万象様々なジャンルを名もなき男が日々の心の軌跡として綴る

久しぶりのブログ

 

 

         和やかな  秋の夜長に  居ながらも

                 憂い漂う  我が心なか(笑)

     

 

 いやいや、まだまだ残暑が厳しいとはいえ、外の景色からは哀愁を帯びた秋の美しい漂いを感じます。自分としてはこの秋という素晴らしい季節を毎年3回は繰り返して欲しいと願うばかりなのですが、そんな甘い話はありません 😓

 時の流れにさえも抗いを隠せない稚拙な感情はなかなか消えてくれませんが、それほどまでに優美な情景を際限なく映し出してくれる日本の四季を感じられる事は本当に有難くも贅沢な話で、改めて謝意を示したいと思います 😁

 

 という事で(どういう事やねん?)久しぶりにブログを執筆する訳ですけど、大した話題も無いのでちょっと気になったニュースでも論評してみようかなと思います^^

 

ネタ切れ状態?

 

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 是非にも及ばない話とも思えますけど、だいたいから日本のテレビ番組にはバラエティー番組が多過ぎますよね。昔は結構面白いが番組が数多くありましたけど、今のははっきり言って下らないと思います。

 その理由も多々ありますが、結局は完全なネタ切れ状態に陥ってしまったのではないかと思えてなりません。特に最近ではタレントを集めて一般のニュースについて語り合うみたいな番組が多いような気もしますが、何がしたいの? とも思ってしまいます。

 無論それ自体を否定するものでもありませんが、幾つも作る必要があるのかと思いますね。そしてタレントの数も多いです。本当に面白いのは数人しかいないと思います。

 これはバラエティだけに限った話でもなく、もはや漫画、アニメ、ドラマ、映画、歌、お笑い、更にはスポーツ、格闘技と、あらゆるジャンルに共通して言える事で、現状で真に面白いものなどあるのかとも思ってしまうぐらいです。

 かといってyoutubeが面白いとも思えません。あれも結局は昔テレビでやっていた事を真似しているだけにしか見えませんね。そして右へ習えで同じような動画ばかりが立ち並んでいる様子を見るとその発想力の無さには虚無感を抱かずにはいられない訳ですが、自分のような凡人が言う事でもないですよね(笑)

 要はネタ切れという事だと思いますね。長年の歴史の中でありとあらゆるものが出尽くしてしまって、もはや全く新しいものを作る事など出来るのかとも思えるぐらいなのですが、限界というものが無い事を願うばかりではあります 🙂

 

志が感じられない独裁国家

 

news.yahoo.co.jp

 

 この記事を読むまでもなく思う事は結論から言えば何がしたいの? って話ですね。少々時代錯誤な思想を持っている自分としては独裁国家社会主義国家を必ずしも否定する訳でもないのですが、どんな国家の形態を取っていてもそこには何がし志がなくてはしっかりとした形を成す事は出来ないように思えます。

 特に北朝鮮は未だにこんな政治体制を取っているみたいですが、はっきり言って何時反乱が起きてもおかしくないですよね。

 嘗ての日本もドイツもその他の国々も富国強兵を旨としていた訳ですが、今の北朝鮮はただ素行の悪い不良少年のようにしか見えません。そんな事では世界に互角に渡り合って行くどころか国民の意志を繋ぎ止める事すら叶わないでしょう。 

 そして何の文化も無いからこそこのような事件が後を絶たない訳で、そっちの方に尽力するつもりはさらさら無いのでしょうか。

 前にも書いた事がありますが、場所的にもこの北朝鮮は昔の高麗、高句麗の末柄ではないのでしょうか。無論人の烈しい人の流動がありその歴史も途絶えてしまったのかもしれませんが、たかだか三代しか続いていない数十年の歴史を高らかに自慢している様子を見ていると歴史観というものが皆無なんだなと思わずにはいられませんね。

 韓流時代劇「武神」のように

「我々は偉大なる高句麗の末柄じゃ!」

 ぐらい言えないものでしょうか。それに比べて日本の天皇の血筋は正に万世一系で世界でもダントツの素晴らしい歴史を誇っている事は言うまでもありません。

 ですがこの拷問という刑罰も昔は殆どの国でやっていた事でもあるので、今の見せかけだけとはいえ平和な日本は有難いとも思います。

 そして上の者達も同じような事をしているにも関わらず、下々だけを処刑するやり方には憤りを隠す事が出来ません。正に特定の者だけが潤うシステムになっている余りにも軽薄な独裁国家ですね。まだ日本の戦国時代の方がマシな感じにも感じます。

 ま~、38度線で南北に分けてしまったアメリカ、ソ連こそが悪の元凶とも思える所なのですが、北朝鮮を放置しているロシアのやり方も頂けませんね。何とかならないものでしょうか。情けない話です 😔

 

 という事でまたまた下らない話を長々としてしまいましたが、要は哀愁、憂愁感のあるこの秋とう季節をもっと感じたいという話でしょうね(笑)  

 また小説執筆始めたかったのですが、文學会応募し終えたと思いきや、来月には群像新人賞の締め切りも迫っていたのです 😱

 ですから今は専らその執筆活動に専念している訳なのですが、結構しんどい作業ですね。改めて創作活動の難しさを知ったような気がします。でも諦めてはいけません。行く道は行くしかありませんよね。

 では皆様、またお目にかかれます事を楽しみにしております 😉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

総裁選の行方 ~現代人の精神年齢

 

 

          秋雨に  霞む時代の  先行きよ(笑)

 

 

 いやいや、それにしてもよく降る雨ですね。自分は雨が好きな方なのでいっそもっと烈しく降って日本列島を沈めてしまえと思わないでもありませんが、そんな事を言ってはいけません。

 女心(男心?)と秋の空とは言いますが、気候同様に所詮は人の心も無常なのでしょうか。であるなら尚更その中に一貫性を見出したいとも思ってしまう訳ですが、変化なくして進化なしとも言いますし、自分のような頑なな人間は多角的、多面的考察力の必要性に葛藤し続ける人生ではあります(笑)

 

総裁選の行方

 

www.ohbsn.com

 

 結論から言えば何しとんねんって感じですかね。政界の動揺は今に始まった事でもありませんが、この緊急時に総裁選や選挙などしている場合かとも思ってしまいます。

 それも相変わらず派閥間の下らない駆け引きばかりに終始している様子を見るとまるで平安時代藤原氏が隆盛を誇っていた頃の馴れ合い仲良し倶楽部ともいえる腐り切った内裏の摂関政治を思い浮かべずにはいられません。

 要するに英雄が居ないんですよね。この治世に英雄の出現など誰も望んでいないのかもしれませんが、かといって余り無為無策な政治ばかりされると一体何がしたいのかとも思いますし、情けなくもなって来ます。

 そして選挙の度に謳われる

「新しい政治、新しい日本を作る」

 とかいう尤もらしい台詞。もう聞き飽きましたね。何をどう変えるのだ、どう変わったんだとしか思えません。はっきり言って何一つ変わっていないんですよね。腐り切った政界の形態などは今も昔も全く同じに見えます。それでいて変えなくてもいい所を弄りまくって訳の分からない世の中になってしまっていると。

 正に本末転倒とはこの事で、もはや日本の総理や閣僚に名誉などは無いに等しいのではないでしょうか。ただ利権を貪りたいだけとしても世論を舐め過ぎたが為に辞任してまた復帰を試みている政治家達の姿を見ていると無論一切の矜持は感じられない訳ですが、どうせならもっと巧くやれよとも思ってしまうほど滑稽に見えてしまいます。これなら小学生の学級委員の方がまだ有能であるような気もしますね。

 国民も国民で相変わらず何処の党が良いとか悪いとか。もうそんな次元の問題でも無いと思いますね。そして右左の必殺二元論と(笑) 基準すら無い今の日本には右左どころか上も下も良いも悪いも今も昔も何もありません。あるのは虚無だけです。

 本気で日本を変えたいのなら、もっと根本的な所から変えて行って欲しいと節に願う今日この頃ですね。

 

現代人の精神年齢

 

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 この事故についても綴った事があるのですが、裁判長から謝罪を求められるこの被告は一体全体何物なのでしょうか。そこまでして頑なに謝罪を断る被告の精神構造は完全に理解不能です。

 無論理解出来る訳もないですし、理解しようとする行為自体が無駄とも思えるのですが、まさか謝罪の仕方、「すいませんでした、申し訳ありませんでした」という言葉すら忘れてしまったのでしょうか。勿論そんな筈はありません。一応は普通に喋っています。たとえ謝罪を受けたとしても被害者遺族の気持ちが充たされる事は永久に無い訳です。でも誠心誠意謝って貰えば多少なりともその気持ちは安らぐと思います。

 それなのに逆に被害者遺族の心を逆撫でするような事ばかり、そういう態度に終始している被告は正に人非人と言わなければなりません。こんな事が許されてはそれこそ世も末です。極端な話、拷問刑でもいいぐらいだと思ってしまいますね。

 でもこういう事はこの事故に限った話でもなく、今や世界中に溢れていると思います。何故ケジメが付けられないのか。何故一言でも素直に謝る。或いは「ありがとう」と謝意を表せないのか。日常生活でもこういう事が多く感じられます。

 明らかに迷惑を掛けているのにも関わらず、何も言わない、もしこっちから何か言えば逆切れする始末と。それこそ話は飛躍しますが、それならまだヤクザの方がましなんじゃないかとも思えるぐらいですね。彼等は下手打った場合、まずケジメとしてエンコを飛ばす事が多いです。無論そんな事を一般社会に用いるべきだとは思いませんが、最低限の詫びは絶体に必要だと思いますね。中学生の反抗期じゃあるまいし、そこまでして頑なに意地を通す神経が理解出来ません。

 もし素直に謝意を表す事が恥ずかしい、情けない、ダサいといった下らない風潮が瀰漫しているとすれば、現代人の心はどれだけ貧しくなってしまったのかと憐れで仕方ありません。 

 ただ百歩譲って妥協するとすれば、人の寿命は年々伸びて来ていますから精神年齢もそれに比例して成長が遅くなって来たのかなとも思える所なのですが、それでも納得は出来ません。何故なら人は生まれた時は絶体に素直な筈だからです。それが年を取るに連れて成長して行く訳ですが、現代社会を見るとどうも肉体は成長しても精神は逆に劣化の一途を辿っているように思えてしまいます。

 童のあの屈託のない天使のような笑顔。子供から学び取る点は多いと思うのですが、それを大人が無駄にしてしまっているのではないでしょうか。

 下手に進化する事ばかりを考えずに、原点に立ち返り初心を取り戻す事の方が先決であるような気がしますね。

 

 という事で今日もまた今更言うまでもない硬い話をしてしまいました。気を悪くされたなら申し訳ありません。

 今日は串カツ記念日らしいです。紅葉の秋を満喫出来る日が来るのを願って前向きに生きて行きたいと思います。近々ブログでの小説執筆にも復帰したいと思っていますので、また宜しくお願いします 😉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今週のお題  ~もっとサボりましょう^^

今週のお題「サボる」

 

 

 

          鳴き止みて  想うは蝉の  憂いかな(笑)

 

 

 いよいよ8月も終わりまするなぁ~。今にして思えば蝉が煩く鳴いていた頃が懐かしいぐらいですけど、極めて寿命の短い蝉は一体何を思って毎年毎年勇ましく鳴き続けているのでしょうね。決して鳴く事をサボらない蝉の姿には尊敬の念を抱くばかりであります。

 無論今年も夏らしい事など何一つしなかった自分ではありますが、夏の終わりというものには毎年のように淋しさ、切なさを感じずにはいられません。

 という事で(どういう事やねん?)今週のお題に挑みたいと思います^^

 

サボった経験談

 これはいくらでもあります。元々ナマクラ(怠け者)な自分は人生サボってなんぼという感覚がありますね。特に何かをサボった時の爽快感はなのものにも代えがたいですね。ただその後に襲って来る悔恨の念には相当なものもありますけど。全ては自業自得で、たとえ精神面だけでも自ずと代償払わされる世の中のシステムは巧く出来ていますよね。それすらも気にしないような強靭なメンタルがあれば良いのですが。

 

仕事をサボった経験

 若い頃はしょっちゅうサボってましたね。時には1週間も無断欠勤した事もありました。そのあと何食わぬ顔をして出社するのですけど、少し怒られただけで大した叱責は受けませんでしたね。若気の至りに対する寛容さの表れだったのでしょうか。

 その頃世話になっていた社長もどちらかというと来る者は拒まず去る者は追わずみたいな考え方の人でしたけど。

 でも自分のような団体行動が嫌いな者は酒の付き合いも大嫌いで特に忘年会などは3年続けてブチった経験もあります。その時は流石に怒られましたね。

「ほんまにすいません、伯父が亡くなってしまったんです」

 よくある話かもしれませんが、これを言えば普通は誰も言い返して来ません。でもそれを繰り返した時は

「何年も連続で親類が死ぬんか!? お前そこまでして忘年会行きたくないんかいや? そんな事では世の中渡って行かれへんど!」 

 などとこてんぱんに怒られました。自分も浅はかでしたね。他の尤もらしい策を講ずるべきでしたね(笑)

 若い頃というか30代前半まではこんな感じでしたね。

 

私生活での話 

 私生活でも全く同じですね。自分にとっては仕事も私生活もありません。同じ人間なのですから、何故一々変える必要があるのかと思っています。

 流石に冠婚葬祭をブチった経験はありませんが、友人との約束、交際していた人とデートの約束も破った事は何度かあります。最低人間ですね、今にして思えば本当に情けない限りで、迷惑を掛けた方々には心から詫びを入れたい想いです 😔 

 でも言い訳をするつもりでもありませんが、その時もあくまでも正直に行動してだけなんですよね。それなら初めから約束などするなって話なのですが、そこを突かれては一言もありません。要ははっきりと断る勇気が無かったんでしょうね。

 そんな優柔不断な性格が災いして勿体ない経験もして来ました。もっとしっかりしていれば今ごろは華々しい人生を送る事が出来ていたかもしれませんが、悔いても及ばぬ事。成るようにしか成らないのも世の常ですかね。 

 でもサボる事は駄目ですけど、日本という国は真面目過ぎるとも思えます。勤労だけが美徳とされているような気もします。無論それも大切な事なのですが、みんな働き過ぎですよね。毎日朝から晩まで働いてその上残業までしないとやって行けないという、この国のシステム自体に憤りを覚えなくもないです。

 確かにそれが現実ではありますが、そこまでして身を粉にして働いて一生を終えてしまう事は淋しい限りです。自分は保育所に通っていたのですが、真に自由を感じる事が出来たのはその保育所時代までだったような気がしますね。

 その後学校に行き社会人となって行く過程で自由を感じる事など殆ど無かったです。それは無論自分の不徳の致す所でもありますが、そう感じている人も多いのではないでしょうか。

 とにかく日本には自由が余りにも少ないのです。市場ばかり西洋化して肝心の自由や精神的、道徳的な面では何一つ西洋の真似出来ていないような気がしますね。

 全体主義という思想に起因する事象かもしれませんが、年を取るに連れて不自由さを感じるぐらいです。だからといってサボる事を肯定する訳でもありませんが、難しい話ですね。それこそ成るようにしか成らない事かもしれません。 

 

これからの話 

 ま、そんな自分も今正にブログ制作をサボっている訳なのですが、これはサボるというよりは休止ですね。誰から束縛される訳でもなく自由奔放に生きて行く為には小説家に成るしか道は無いのです。ですから今も必死に執筆活動に勤しんでいます。

 でも本当に真剣に書こうとすれば難しいですね~。何度も何度も読み返し、校正しまくっている現状なのでなかなか筆が進みません。

 無論今までブログに載せて来た小説をいい加減な気持ちで書いていた訳でもありません。でもその熱量は明らかに違いますね。神経使って仕方ないです。

 自分の一番好きな三島由紀夫大先生の小説の一節に

『地球の自転という事実が、決して五感ではそれと知られず、科学的理性を媒介として辛うじて認識されるように、輪廻転生も亦、日常の感覚や知性だけではつかまえられず、何かたしかな、きわめて正確で体系的でもあり直感的でもあるような、そういう超理性を以てして、はじめて認識されるものではなかろうか』

 という地の文があるのですが、流石は三島大先生というか、こんな文章自分には一生掛かっても書く事は出来ないでしょうね。まず無理です。寧ろそう思ってしまう事自体が既に不遜で己惚れた感情だとも思えるぐらいなのですが、たとえ少しでもこれに近付きたいとは思っています^^

 もっともっと精進しないダメですね。憧れが心を痛めてしまうのですけれど。今のままでは話になりません。

 何が言いたいかといえば、要は好きな事を見つける事に依ってサボり癖が治るような気はします。それを今頃になって見つけてしまった事が情けない限りなのですが。

 習慣は精神を凌駕する。という言葉がありますが、正にその通りで一度習慣になったものはそう簡単に捨て去る事は出来ません。仕事も私生活も習慣が大切ですよね。と自分に言い聞かせている今日この頃です^^

 

 という事で今週のお題「サボる」についての記事でした。今日は焼きふぐの日らしいですね。まだまだ残暑が厳しいですけど皆様方には十分なるご自愛をして頂きとう存じます。では、ごきげんよう 😉

 

 

 

 

 

 

 

 

イージーパンツの日  ~お知らせ(夢)

 

 

          降り続く  雨の下にも  仏の座(笑)

 

 

 いやいや、よく降る雨ですけど皆様方におかれましては益々ご健勝のこことお慶び申し上げます。

 さて、もはや盆も過ぎた今となっては正月を目指して歩みを進めるしかないとも思えるのですが、そう急いてもいけません。日々を大切に生きて行く事こそが肝要である事は言うまでもありません。

 そこで着目すべきはやはり記念、行事ですね。一日足りとて絶えることなく紐帯されるこの記念日は正に日本的美学であり、一日一日を感謝して生きて行く心の糧を持たせてくれます。それは無論前向きな精神を育み、更には花鳥風月に至ります。

 という事で(どういう事やねん!?)早速進めて行きましょう^^

 

イージーパンツの日 

 山口県山口市に本社を置き、高品質・低価格のカジュアルブランド「ユニクロ」を展開する株式会社ユニクロが制定。

 日付は「パ(8)ンツ(2)イー(1)ジー」と読む語呂合わせから。スタイリッシュなのに履き心地は楽、カラーバリエーションも豊富に取り揃える自社製品のイージーパンツをPRすることが目的。また、パンツスタイルを今まで以上に気楽に楽しんでもらいたいという願いが込められている。

 記念日は一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。 

 イージーパンツ(easy pants)とは、股上が深く、ゆったりとしたシルエットのパンツである。ウエストの部分にゴムやひもが使われる。イージーは「楽な」「気軽な」「ゆったりした」という意味で、イージーパンツは和製英語である。

 

とありますね。イージーパンツは自分が高校生の頃よく流行っていましたね。何枚も持っていました。穿き易くて色鮮やかでファッショナブルな感じが良かったんです。夏といえばイージーパンツばかり穿いていました。

 それに引き換え昨今のメンズファッションは如何なものかと首を傾げてしまいます。夏、いや、5月ぐらいから既にショートパンツを穿いている短パンマンの姿が目立ちますね。近所をうろつくぐらいならまだしも、電車やバス、或いは繁華街をそんな姿で堂々と歩いている人を見ると神経を疑ってしまいます。

 たとえ綺麗な足だとしても所詮は男で、まして脛毛ぼうぼうの姿なんかが視界に入って来ると吐き気がします。小学生でもあるまいし、今から海にでも行くのかと思ってしまいますね(笑)

 とはいえファッションなどはあくまでも人の勝手なので、一々干渉している自分が潔癖過ぎるだけなのでしょうか。そんな衣服ばかりを売っている店もどうかとは思う所ですけど。ま、愚痴は良くないですね。

 

献血の日  

 1964年(昭和39年)のこの日、それまでの売血制度をやめ、全ての輸血用血液を献血によって確保する体制を確立するよう、献血の推進が閣議で決定された。

 売血制度があった当時、金銭を得るために過度の売血を繰り返す人たちの血液は血球が少なく血漿部分が目立つため「黄色い血」と呼ばれていた。この血液は、輸血しても効果がなく、また、輸血後に肝炎などの副作用を起こしがちだったため、大きな社会問題となっていた。

 1974年(昭和49年)に民間商業血液銀行が預血制度を廃止したことにより、全てを献血で確保する体制が確立した。

 

 とあります。自分もたまに献血に行くのですが、12年前に愕くべき事実を知りました。何と血液型が変わっていたのです 😱 

 それまでの自分は30年以上もの間、ずっとB型で通して来ました。それが12年前に心像弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)で入院、手術をしたのですが、入院時に血液型がOと表示されている事に気付きました。

 そこで先生に相談してみたのですが勿論先生はOと断定して譲りませんでした。母からも訊いたのですが出生時も確かにBで、親兄弟、親族に至るまで全てBなのです。何度も先生に訊いてみた所、

「それなら輸血の可能性もある訳ですから、もう一度調べ直す」

 と言ってくれて調べ直して貰ったのですがやっぱりOでした。先生曰くO型は何からでも生まれると言っていましたが、その確率は1~2%ぐらいらしいです。

 幸い自分は輸血もせず、形成術で根治したのですが、今まで献血に行っていた分の血はどうなったのでしょうか。その後先生は

「ま、今回O型になった訳ですから、これからは大らかに生きて行きましょう」  

  などと洒落を口にしていました。いくら洒落とはいえ、お前に俺の性格が分かるんかい!? とも思ってしまいましたね(笑)

 無論病気を治して貰った事には感謝していますが、不思議な事もあるものですね。

 

お知らせ 

 ま、お知らせというほど大層な話でもありませんが、一時小説の連載を休止させて頂きたく存じます。理由は文學会新人賞へ応募しようという大それた考えを抱いてしまったからです。

 締め切りは9月末らしく既に書き始めているのですが、あくまでも未発表のものに限られるので、ここへ載せる訳には行きません。

 当初は今書いているものと並行して執筆して行こうとも思いましたが、なかなか難しいですね。二兎追う者は一兎も得ずのたとえもありますし、一方が疎かになってしまう可能性を考慮した上での決意ですので、何卒ご理解のほど宜しくお願い致したく候。

 出来ればもっと早くからその道に入っておけば良かったんでしょうけど、この年になって文学に目覚めるとは何とも恥ずかしい限りです。

 でもそんな弱音を吐いていてはいけませんよね。皆さんが付いていてくれれば百人力で、正に5万の味方を得たも同じです。

  まだまだ語彙力、文才に乏しいこの有り様なのですが、たとえ受賞する事が出来ないまでも、是が非でも頑張って最高の作品を書き上げる所存です。

 

 という事で記念日~のお知らせ、夢を掴む決意を表明する記事でした。小説以外の記事はたまに投稿しようとも思っていますので、これからも宜しくお願いします 😉

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

哂う疵跡  十二話

 

 

 正式に社長の座に就いた一弘ではあったがその表情に明るさは感じられなかった。彼の心に翳を落とすものの正体がグループの逼迫した経営状況である事は言うまでもないのだが、それと同等の重さを持っていたものは他ならぬ幸正の存在であろう。

 幸正が一弘に与えた助言は二つだった。一つは今直ぐ会社を畳んで財産を全て売却し一から再出発する事。二つは因縁のある丸新興産と手を組み共存共栄を図る事。

 何れも承服しかねる実に馬鹿馬鹿しい話なのだが、一番の気掛かりは幸正が何故そこまでして西グループの経営に干渉するのかという不可解な点であった。

 グループを潰してただ腹いせがしたいだけなのか、それともまたよからぬ事でも企んでいるのか。幸正の腹はなかなか読めない。だがこれ以上私利私欲の為だけに常に行く手に立ちはだかる障壁を取り除かない訳にもいかないと判断した一弘は思い切って兄の一将に連絡と取るのだった。

「あ、兄貴か、久しぶり、ちょっと話があるんだけど」 

「何だ?」 

 久しぶりに話をする一将の貫禄は電話だけでも十分に感じられた。それに圧倒された一弘は一瞬言葉を失ってしまったのだが、社長という肩書きが多少なりともその怯えを緩和してくれる。

「実は幸正がこの前グループの会合に顔を出しやがって、また何か企んでるみたいなんだ、そこで兄貴に相談したくなってさ」

「何の相談だ?」

「だから、これからの事だよ」

 「お前、社長になったんだろ、まだそんな甘えた事言ってんのかおい、俺はヤクザなんだぞ、そんな俺を頼ってどうするんだよ、自分で解決することだ」

「だけど兄貴だってヤクザを頼ってたじゃないか、人の事言えるのかよ」

「だから俺はケジメをとって自らヤクザになったんだよ、お前もそうするのか?」

「それは......」

「とにかくよく考えて行動する事だ、いいな!」

「分かったよ......」

 その為のケジメとは完全な詭弁に過ぎない。その事を理解していた一弘は兄の筋の通らない言に反感を覚えたが、言い返す勇気が無かった自分の情けなさの方が勝っていた事は言うまでもない。

 幸正に兄、二人の真意が全く読めない一弘は自暴自棄になりかけていたのかもしれない。その想いは自ずと顔に表れ、今の彼は一時的とはいえ病人のような脆弱な姿を漂わす。それは取りも直さず社長に就任したばかりの彼には許されない失態であり、己が矜持をも穢す事でもある。

 しかし突破口を見出せぬ今の彼に何が出来ようか。錯綜する想いは更なる翳を呼び起こし、ただ深い闇へと直行するように思える。

 闇の中にも僅かに差し込む一筋の光。それさえ見つけられれば如何様にでもなるのだ。だがそれを探す力は限りなく小さかった。

 

 

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 あれから数日が経った今、一将の背中は真っ赤に腫れ上がっていた。無理に意地を通して入れた手彫りの痛みは忘れようもない。全身に迸る血飛沫はまるで地獄の阿修羅を思わせるような猛然たる烈しさで容赦ない責め苦を与えて来る。必死に歯を食いしばって耐える一将はその苦行に依って何を得たのだろうか。

「ここは地の果てアルジェリア、どうせカスバの夜に咲く」  

 宇佐美から教わったこの歌を理屈抜きに口ずさむ一将は、図らずもカスバの女の心境を自分なりに慮っていたのかもしれない。その真意は分からないまでも。

 しかし組を起ち上げたばかりという事もあって一日たりとも休まず事務所に姿を現していた彼の心意気に感銘を受ける子分達は、益々忠誠を尽くすべく一将に惚れ込んでいた。

 もはや掛ける言葉さえ無いこの状況で子分達に出来る事と言えばただ真っ当な任侠道に勤しむ組長を見習う事だけだったのかもしれない。

「ところで誠二、友党物産の切り取り巧く行ってんのか?」 

「はい、その件は滞りなく進んでいます、ですけど......」

「何だ? 何かあったのか?」

「いや、それには何の問題も無いのですが、友党物産に貸しがある丸新興産が黙ってはいないと思いまして」

「丸新の債権はいくらだ?」

「はい、500ほどですけど」

「お前何眠たい事言ってんだゴラ! うちは友党に2000の貸しがあるんだぞ、分かってんのかおい」

「無論その事は承知しています、でも.....」

「でも何だ? 要件だけを言えってんだよ!」

「丸新は海秦会ですよ、揉め事になるのではないかと思いまして」

「お前何年ヤクザやってるんだよ? おー! 俺より年期があるんじゃねーか? 行く道も行かねーヤクザに何の価値があるんだよ!」

「そうですよね......」

「お前喧嘩売ってんのか? 今度そんな弱音吐いたら破門にするぞ! いいからさっさと行って来いゴラ!」

「はい、分かりました!」

 何とも頼りない子分の有り様は一将を大いに悩ませた。しかし一見頼りなく映る子分の様も人間社会には確固として存在する揺るぎない人の弱さでもある。

 それは堅気もヤクザも関係ない人間が生まれながらに持ち合わせた性質でもある。滑稽ながらもそれを美しいと感じる一将の心持は些か稚拙にも思えるのだが、そんな話が通るほど甘い世界でも無い。

 彼も未だに堅気と極道の世界の狭間を彷徨う一人の正直な人間であったのだった。その境目で葛藤する彼に一瞬でも安らぎを与えてくれるものがあるとすればそれは何だろうか。

 一将もまた弟と同様に人間社会に苛まれ続けるか弱い一人の男であったに違いない。でも今更引き返せない一将が弟以上の志を持っていた事も事実ではある。

 やり切れない想いに浸る一将は宇佐美の下を訪れたのだった。

「ご苦労様です!」

 若い衆達の勇ましい挨拶に対して何時になく覇気の無い雰囲気を漂わす一将の姿は淋しい翳を落とす。

「おう兄弟、今日はどうした?」

「よして下さい、兄弟ではありませんよ」

「いや、舎弟とはいえ兄弟には違いないだろ」

 一将は何も言い返せなかった。だがその表情に僅かながらも陰りを感じた宇佐美は一将の肩を叩いて笑みを浮かべる。

「らしくねーじゃねーか、一体どうしたんだ? 墨入れた事後悔してるのか?」

「そんな事ないです、ただ、これは余りにも情けない話なんですが、うちの子分が少し頼りなく感じられるのです、無論それは自分の所為でもあります」

「そうか、だがな、それは口にしちゃいけない事だろ、違うか? 今のお前は一家の長なんだぞ、そんな下らない事を言いにわざわざ来たのか?」

「すいませんでした、自分が浅はかでした!」

「まぁいいさ、誰にでもある事だよ、俺にもあったさ」

 この間二人は沈黙して一時話をしなかった。そこに入って来た一人の若い衆が思わぬ事を口にする。

「親分、いよいよ海秦会が攻めて来るみたいです!」

「それは確かな話か?」

「確かです、自分のテカがさっき掴んだ情報です、既に会長自らが号令を発したとか」

「そうか、いよいよかぁ、一将、お前は今直ぐ組に戻って準備するんだ! いいな!」

「分かりました、では」

 神田組の周到さは流石だった。それに引き換え一将は。一体ここへ何をしに来たのだろうか、ただ急変する事態を確認する為に足を運んだのだろうか。だがそれも重要である事は言うまでもない。

 一将が初めて経験するヤクザの出入り。それは図らずも一将自身が招いた有事であり待ち望んでいた試練でもあった。

 背中に映る騎竜観音はその力を発揮する事が出来るのだろうか。荒々しくも渋い姿を現す竜。それを窘めるように目を閉じ掌を向け合い祈る観音様。

 二体の象が織りなす芸術的な画は、美しくも儚い人間社会を憂いているようにも見えるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

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哂う疵跡  十一話

 

 

 会長は悔やんでいた。一弘に止められたとはいえ何故幸正などを易々と入れてしまったのか。いや、奴が現れてしまったというその因果自体を。

 その後幸正は強引に追い出されはしたものの、一弘の胸の内には彼が口にした事がはっきりと刻み込まれてある。兄と違って人の好い一弘は幸正の事が忘れないだろう。それは次期社長となった今の彼には余りにも大きな問題で、グループの行く末も危ぶまれる事は言うまでもない。

「やはり是が非でも一将を引き留めておくべきだったかぁ」 

 暗澹たる思いで呟く会長の一彦にはもはや次なる策が無かったのだった。悔いても及ばぬ事ながらも悔いずにはいられない。これも人間の性なのかもしれない。

「何故そんな者を容易く中へ入れてしまうのですか? 私がいたなら即刻追い出していましたわ、貴方も一弘もほんとにお人好しなんだから、似た者親子とはこの事よ」 

 相変わらず鼻っ柱だけは強い一彦の妻沙也加はこんな感じで次々に夫を責め立てる。

「だから言ったじゃないか、いっそお前が経営に参加すればいいんだって」

「それとこれとは別ですわ、会社経営に全く無知な私なんかが入った所で何のお役に立ちますのよ、揶揄わないで下さい」

「別に揶揄ってなんかないさ、仕事なんて部下にやらせとけばいいんだよ、俺達はあくまでも心意気だけを示していればいいんだ」

「なるほどね、だから貴方はダメなのよ、一将を見て御覧なさいよ、あの子は何時も自分自身で汗水垂らして必死に仕事してたじゃない、だからこそ部下にも信頼されていたのよ、貴方なんて社長時代から何一つ自分ではしなかったじゃない、それが原因でこうなってしまったのよ」

「それなら何故一将を引き留めなかったんだ? お前だって俺の事は責められないぞ」

 二人は沈黙した。確かにその通りである。一将を社長に据えておけば、経営が悪化したこの状況でも何とかやって行ける可能性はあった。沙也加とて贅沢な生活が続けられていたかもしれないのだ。それをみすみす失ってしまうとは何と愚かな事であろうか。

 互いの非力さを改めて痛感した二人は歌を忘れたカナリヤのように言葉を失い、ただ項垂れるだけであった。

 

 悪い予感ほど当たるもので、幸正の事が気になっていた一弘は早速人目を忍んで彼に会いに行っていた。 

 美しい秋の夕暮れ時によりによって幸正のような者と会う事は何とも勿体なく、それは自然に対しても比例に値するような気さえする。

 だが万物に平等に恵みを与えてくれる自然とはつくづく有難いもので、色鮮やかな樹々に草花、涼やかにそよぐ風、今にも沈みそうでなかなか沈まない夕陽はまるで映画のワンシーンのような風情のある演出で二人をもてなしてくれる。

 有難くも何処か切ないこの情景の中に姿を現す二人。その表情は未だ互いを警戒するような緊迫した雰囲気を漂わしていたのだが、幸正のとった想定外の行動がそれを早くも壊してしまった。

 馴れ馴れしくも一弘と肩を組んで口を開き出す幸正は未だに己が立場を理解していないように見える。

「なぁ一弘よ、お前何で俺を助けくれなかったんだおい、あれからの俺は路頭に迷い一文無しになってしまったんだぜ、取り合えずいくらか回してくれよ」

 幸正の手を振り解いた一弘は険しい表情で語気を強めて言い返す。

「お前は取り合えずその馴れ馴れしい態度を改めろよ、俺はもう昔の俺じゃないんだ、それと結構な金を貰ったんだろ? もう使ったのか、何れにしても金なんて一銭も渡せないけどな」

「ふん、お前も変わったな、昔の人懐こい一弘は何処に行っちまったんだよ」

「いいからこの前言ってた事の続きをさっさと謳えよ」

「それが人にものを訊く態度かよ、お前から会おうと言って来たんだぞ」

「俺は一応会いに来てやっただけだよ、嫌なら別にいいさ、俺は帰るよ」

「ちょっと待てって! 分かったよ」

 稚拙にも思える二人の駆け引きは何処に落とし所を持って行こうと言うのか。秋の夕暮れは何ら口出ししないまま、二人を優しく見守るだけであった。

 

 

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 一家を束ねるようになった一将は名実共に宇佐美の舎弟になり、今まで以上に精進するべく任侠道に励んでいた。

 神田組でもシノギがトップクラスであった彼の事を羨みこそすれ咎める者など無論一人もいない。しかし羨みが恨みや妬みに変わる可能性を憂慮していた一将は常に警戒心を保ち他の組織とも巧くやって行く事だけを念頭に置きながら日々を過ごす。

 そんな中一本の電話が掛かって来る。

「はい神将組、あ、親分ですか、少々お待ちを」

「宇佐美の親分です」

「おう」 

 電話を受け継いだ一将は何時になく神妙な面持ちで話し始める。

「兄貴、ご苦労様です、何かありましたか?」

「いや、大した事じゃねーんだが、ちょっと会わねーか?」

「分かりました」

「じゃあ今から迎えに行くよ」

 わざわざ迎えに来てくれるという宇佐美の真意は如何に。少し怪訝そうな顔をする一将を心配した子分はあらぬ言葉を口にする。

「組長、大丈夫ですか?」

「何がだ?」

「いや、宇佐美の親分とこ最近羽振りが悪いみたいですし、ひょっとすると......」

「ひょっとすると何だ?」

「いや、組長の事妬んでるんじゃないかと、それで組長を舎弟にした事を後悔してるんじゃないかと思われまして」

 その刹那、一将は子分に強烈な一撃を見舞い、胸倉を掴んで烈しい怒声を浴びせた。

「お前喧嘩売ってんのかおい、無い腹探ってんじゃねーぞゴラ、今度そんな事言ったらただじゃ済まさねーからな、分かったか!」

「すいませんでした!」

 一将の圧力に屈した子分は、自分の親分が腕っぷしも強い事を始めて知ったようにただ愕いていた。戦慄が走った事務所内はその一瞬、寺のような静けさを漂わせものを言う者は一人もいない。だがそれまで一将の事をただのインテリヤクザと思い込んでいた子分達は寧ろ嬉しくなり、改めて彼に忠誠を尽くす喜びを得たのかもしれない。

 一将が一人事務所を出て行った後、彼等は徐に語り始める。

「大丈夫だったか?」

「ああ、結構重い一発だったよ、だけどこれで安心したぜ、あの組長、格闘技でもしてたのかな? これで出入りになっても大丈夫だろうよ」

「そうだな、頼もしいぜ」

 そんな子分達を他所に宇佐美と会う事になった一将が連れて行かれた場所は銭湯だった。いきなりこんな所に連れ出した宇佐美は何を考えているのだろうか。銭湯に通う習慣が無かった一将には実に不思議な光景だった。

 昼下がりの銭湯は客も少なく開放感があった。如何にもという老舗の銭湯ではあるがサウナもあって水風呂もある。二人はサウナに入り話し始める。

「ところでお前、これからどうするつもりなんだ?」  

「これからとは?」

「いいから正直に言ってみろよ」

「自分はただ任侠道を全うするだけです、他意はありません」

 宇佐美は少し首を傾げて外に目を移してから答えた。

「お前ははっきり言ってもうヤクザでもエリートだ、だが分からねーんだ、何でお前みたいな奴がわざわざヤクザになんかなったのかがな」

「それは以前にも言いましたように......」

「自分に試練を与えるって言うんだろ、何でそこまで自分を追い込むんだ?」

「じゃあこの際はっきり言わせて貰います」

「おう、訊かせてくれ」

「今の時代が温(ぬる)過ぎるからです、自分も勿論そんな境遇の中で生まれ育ちましたから尚更そう思うんです、特に堅気の世界はその温さを増す一方じゃありませんか、今の日本では何をしても許されるような風潮が出来上がってしまってると思うんです、それに対して極道社会はケジメが第一です、それだけでも凄いと思っていたんです」

 一将の本心を知った宇佐美はほっとしたのか急に表情を緩ませて、一将の肩に手をやって答える。

「なるほど、それは大したもんだ、俺も感じていたけどな、だがヤクザの世界は口で言うほど甘くはないぞ、後悔する時は絶体に来る、それでもいいのか?」

「勿論です」

「そうか、訊くまでも無かったな」

 一旦水風呂で身体を冷やしてから再度サウナに入る二人。そこで一将の背中を見た宇佐美は少し愕いていた。

「お前その傷どうしたんだ? かなり大きいな」

「これは色々ありまして」

「そうか、ま、人間色々あるよな、そうだ、入れ墨入れねーか? そうすればその傷も目立たなくなるぞ、な、そうしろって!」

 宇佐美の背中には既に立派な双竜の墨が彫られてあった。二匹の竜が天高く舞い上がって行かんとするその勇ましい姿は宇佐美の均整の取れた身体をして更に美しく映る。そんな己が墨に例えるかのような事を言い表す宇佐美。

「これは昔いた兄弟分と一緒に彫った全く同じ墨なんだ、そいつは死んでしまったけどな、でもこれからはお前が居る、だからお前もこれと同じ墨を入れたらどうだ?」

 一将は迷いながらもこう答えた。

「いや、自分は観音様がいいです、騎竜観音が」

「騎竜観音か、それもいいけどなぁ」

「ダメですか?」

「いや、ダメって訳じゃなーんだが、仏像関係の墨を入れたもんは優しく、大人しくなってしまうっていう迷信があるんだよ、それでなぁ」

「そうなんですか、でも自分は出来れば観音様がいいです」

「分かった、じゃあ早速知り合いの彫り師に引き合わせてやる」

「有り難う御座います」

「やっぱりヤクザは墨を入れてねーとな」

 その後二人は互いの背中を洗い流して風呂を出る。そして飲みに出掛けるのだったが、今にして思えばこの二人も何かの縁で繋がっていたのだろうか。いくら先々代からの付き合いがあったとはいえ一将自身がヤクザになってしまおうとは誰も予想していなかった事である。それが今こうして仲良く振る舞う二人の姿はまるで本当の兄弟のように見えないでもない。

 真っ赤に染まり切った夕暮れ時の街並みは明るく照らし出された面を美しく表現するのだが、その裏に佇む翳には一体どのような思惑があろのだろうか。少し角度を変えるだけで日向にもなってしまう物事の二面性。これが人に与える影響は計り知れない。

 その翳で生きる彼等こそが、この二面性に苛まれ続ける人の断ち切れない性を見事に体現しているようにも映るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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哂う疵跡  十話

 

 

 神なびの みむろの山を秋ゆけば 錦たちきる心地こそすれ。一将の進んだ道は決して神聖なものとは言えないが、烏滸がましくもこの歌のような心持にさせてくれる秋という気節自体が神聖で尊ばしいものである。

 その天為に応えるべく日々精進して行く人々の有り様も見事なもので、万物を美しく彩る秋そのものが美の象徴であるとも思える。

 一将はその後も直向きに任侠道に励み、組への忠誠心を高めその身を律し、何時の間にか一端の極道へと成長していたのだった。

 彼の素晴らしい所は己が出世だけではなく、新参者であるにも関わらず誰からも恨み妬みを買っていない事に尽きるだろう。それどころか組内でも既に求心力のある一将はもはや一家の長となるのにも十分な器量、貫目を持ち合わせていたのだった。

 それを羨むのは寧ろ組長である宇佐美であったかもしれない。彼は弟分である一将の出世を喜ぶと共に内心では危惧を抱いていた事も否定は出来ない。だがそんな憂慮こそ宇佐美が最も毛嫌いする狭量な考えで、たとえ一瞬でもそういう想いに傾きかけた自身の心の動揺を恥じる宇佐美でもあった。

「うちから5人、本家から3人、下の組織から5人の計13人をお前に付けてやる、十分とは言えねーが旗揚げにはちょうどいい人数だろ、これからも頼むぞ!」 

「はい、重ね重ねの手厚いご配慮、本当に有り難う御座います、恩返し出来るよう精一杯頑張って行きます」

「おう、その意気だ」

 この一瞬だけでも一将は己が才に溺れていたのではあるまいか。彼とて宇佐美を出し抜くつもりなどは一切無い。だが人の心に歯止めを利かす事は難しいものでもある。それが良き方に導かれんとしているこのような状況では尚更でもある。

 そしてこれだけの早い出世を果たす事自体にも何か物足りなさを感じる一将。それは自身に与えた試練にはまだまだ甘い、まるで小学生が言葉や計算式を覚えるかの如く簡単な課題の一つに過ぎないようにも思えないでもない。

 その答えこそ簡単なもので彼が欲していた試練とは修羅のように立ち回る血みどろの、正にヤクザ映画に出て来るような凄まじい光景が足りなかったのである。しかしそれを自ら欲して行くのも実に滑稽な話で、順風満帆に越した事はない。一将は未だ見えぬ行く末を案じながら改めて本家で正式な盃の儀式を受ける運びとなった。

 

 数日後、本家を訪れた一将は愕きを隠せなかった。何とも見事な豪邸、ぱっと見ただけでも数百坪はあるだろうか。その庭園には様々な樹々が植えられてあり、威厳のある大きな庭石はまるで生きているように見える。長い渡り廊下を進んだ先にある広々とした和室には既に儀式の段取りがされてあり、達筆で認められた掛け軸、神棚、真っ白い盃、黒光りする日本刀の鞘。それら全ては一将の心を一層律するのだが、物怖じしてはいけないと思った彼は決して卑屈になる事なく、威風堂々とした様子で儀式に赴く。

「この度は手前のような稼業昨今の駆け出し者の為に数多くの諸先輩方に列席して頂きましたる事、誠に有難う御座います、手前がこれからも至誠一貫組織に忠誠を尽くす事は言うに及ばず、更なる発展を遂げる為日々精進して行く覚悟にて、皆様には是非とも厚い心で叱咤激励を賜りたく宜しく願い致したく存じます」

 盃が宇佐美から一将へと繋がれる。その盃を三度で見事に飲み干した一将は名実共に宇佐美の七三の舎弟となった。拍手をする幹部一同は峻厳とした面持ちで二人を見届ける。儀式を済ませた所で初めて口を開く本家山誠会親分の榊原はその貫禄のある風格とは裏腹に一将に対して優しい言葉を投げ掛けて来るのだった。

「君が西グループの御曹司一将君かね、立派になったもんじゃなぁ、あの幼い子供が今では宇佐美の舎弟、つまりは山誠会の三次団体の親分かね、これは先代の西社長も大いに喜んでくれる事じゃろうて、宇佐美、お前もいい弟分を持ったな、これからは正に二人三脚、組織を盛り立てて行ってくれよ、それからわしの事を親代わりと思って何でも言っておくれよ、遠慮する事はないからな」

 これこそが天下の山誠会当代である親分の器量なのか。それにしても大らかな言である。まるで堅気のような言句を口にする親分の本心は如何に。

 だが一将も宇佐美同様に人の心の裏を計るような賤しい真似はなるべくしたくなかったのだった。

 

 

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 兄と時を合わせるように弟一弘も次期社長として社員一同から歓迎を受け、祝杯をあげるのだった。一応の挨拶を済ませた一弘は多くの社員達から盃を受けいい気分で酔い初めていた。

 少し顔を赤らませる彼のまだ幼い雰囲気は一将のそれとは違いただひたすら可憐さだけを漂わせる。だがそれも一興これも一興で彼の幼い雰囲気こそが経営に苦しむ今の西グループを励ます力になっていた可能性もある。

 人がそれぞれに現す様は何とも滑稽に見えるのだが、その力は決して侮れないものでもある。己が非力さを理解している一弘が齎す社員一同を明るくさせる副作用。それが真に彼自身にある力であるとすればもはや副作用などでは無く主作用である。

 しかしそれを省みる一弘の想いも実に正直なもので、まだ完全な力を得ていない彼は真に作用する心の薬を求めていた。

 その薬は当然ながら彼が生きて行く上で培われる力でもある。組織の中で成長して行こうとする兄弟の人生観は或る意味同じものでもある。兄に負けじと決意する一弘は改めて皆の前でこう告げるのだった。

「我が兄とは比ぶべきもない不肖の身ではありますが、自分はググループを立て直すどころか今以上に発展させて行く所存ですので、どうか力を貸して頂きたく存じます、その為ならば自分は犬馬の労も厭いません」

 この決意は皆を感動させた。喜びに打ちひしがれる一同は大いに酔い、大いに食べ、大いに笑い充実した時を過ごしていた。

「これでグループもまた一花咲かせる事が出来るかもな」

「おう、あの社長なら大丈夫さ」

「その為にももっと頑張らないとな」

 固く誓い合う皆の姿は正に和であり絆である。この和を持続させる事こそが一弘に与えられた真の宿命(さだめ)のような気もする。

 だが皆が快く酔いしれる中に一つの怪しい影が姿を現す。その者はただ一人で現れ実に下卑たる罵声を浴びせて来た。

「はいはい仲良しこよしの茶番倶楽部はそこまでにして、もっと真剣にグループの行く末を論じようではありませんか、ねぇ次期社長さんに会長さん」

 場は一気に騒然となり怒声を上げながら向い行く一同。しかし一弘はこれを制し悠然とした態度でその者に答える。

「幸正、お前何が言いたいんだ? 俺の前に来てはっきり言ってみろ!」

「誰か奴を追い出せ!」

「待て!」

 父の一彦をも制し幸正を堂々と迎い入れる一弘。その姿はもはや幼さだけを漂わす可憐さを失っていた。

 一弘の眼前にまで進んで来た幸正は皆を相手するような角度からこう言って来る。

「このままではグループは持ちませんよ、そんな事は皆さんが一番よく理解してるんじゃないですかね、志だけで繁栄出来るのなら世界中の人が皆倖せになってますよ、学芸会ではないんですよ、目を覚まして下さいよ、自分に任せて貰えば如何様にもグループを発展させて見せますよ」

「何か策があるのか?」

 一弘の言を訊いた幸正は内心しめたと思った。

「相手にしては駄目です、この者は会社を裏切った、言わば謀反人ですよ、今直ぐ追い出しますから、決して惑わされてはいけません」

 幸正は社員達に依って追い出された。だが一弘の胸に秘めたる想いは今の尚はっきりとした形を残していた。

 美しい秋の景色は依然として人の心を優しく和らげる。人はその自然に報いる事が出来るのだろうか。一弘は今正に社長としての度量が試されていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

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