故・田中邦衛さんを偲ぶ ~三代目襲名~
次から次に大物有名人が亡くなって行きますが本当に悲しい限りです。
田中邦衛さんと言えば「北の国から」が有名ですが、昔はヤクザ映画にもよく出ていました。その中でも高倉健さんとの共演で有名なこの「三代目襲名」は特に面白かったですね。たとえヤクザものとはいえ田中邦衛さんはあくまでも田中邦衛さんという、あの独特の演技は観ていても笑ってしまうぐらいです^^
あらすじ
原作は「実録山口組三代目・田岡一雄自伝」
キャスト
山口登:水島道太郎
田岡一雄:高倉健
田岡文子:松尾嘉代
地道行雄:渡瀬恒彦
金張栄:田中邦衛
菅谷政雄:安藤昇
他
見どころ
時代の違いがあるとはいえ、この作品の登場人物は全て実名なんですよね。今ではまず考えられない事です。そして名だたる大御所俳優の出演。
高倉健さんにしてもヤクザ映画を辞めた後の作品がテレビでは取り沙汰される事が多いですが、自分は寧ろ昔の高倉健が好きでしたね。特にこの作品ではまだ若かった高倉健さんは本当にイケイケで何があても退かない、といった気の強さは無論、義理人情を重んじる一人の男としての人間味に溢れた演技は圧巻です。
渡瀬恒彦さんもこの頃から既に頭角を現しているんですよね。芸能界で喧嘩No.1と言われているのは伊達じゃないと思います。
それを見過ごせなかった田岡(高倉健)はチンピラどもをシバき上げる彼を助ける訳ですが、先に出所する田岡に対して金は
「兄貴、サヨナラ、兄貴サヨナラ」と如何にも田中邦衛さんらしい口調で、少し哀しい感じで台詞を言います。
このシーンを観る限りでは言い方は悪いですが、どちらかが死刑にでもなるのかとも思えるぐらいの雰囲気に観えます。ですがどちらもただ出所するだけで田岡が先に出所し、後に出所した金はその後も元気に生活しているんですよね。こう感じたのはまだ当時自分が若かった所為もあるでしょうけど、面白いシーンである事には違いないと思います^^
そして他、名だたる俳優陣に依る迫真の演技、正に任侠映画のバイブルだと思います。
最後に
時代の流れと共に人も変わって行く。これは当然の事ではありますが、今の時代にはそこまで印象に残る有名人がいないような気がするのも淋しいですね。
こういう考え方自体が既に古いのでしょうか。自分にはまた大きな灯りが一つ消えてしまったと思えて仕方ないです。
とはいえ時は一瞬たりとも止まる事なく進んで行く訳ですから、自分も前向きに生きて行かなければとも思ってはいますが。
田中邦衛さんのご冥福をお祈り申し上げます。
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