雲霧仁左衛門
享保の頃、江戸市中はもとより関東、東海道、中仙道、上方にまで、縦横無尽に盗み働きをしていた盗賊一味があった。 一人も殺さず傷付けず、雲か霧の様に消えてしまうところから雲霧一党と人は呼んだ。その首領は仁左衛門。 対する火付盗賊改方の長官は旗本安部式部。二人の知恵比べとも言うべき斗いは、果てしなく続いていた…。
まずこのオプーニングのナレーションの時点でめちゃくちゃ渋いです。
自分が嵌った時代劇ベスト3に入る「雲霧仁左衛門」のレビューです。
ストーリー
享保年間。江戸を始めに、東海道、中山道、果ては上方まで「犯さず、殺さず、貧しき者からは奪わず」の盗賊の掟を守り、強欲な悪徳商人ばかりを襲う謎の大盗賊・仁左衛門がいた。彼と彼の一味は全く気取られることなく、仕事が終われば雲か霧のように消えてしまうことから、雲霧一党と呼ばれた。 一方、手掛かり一つすら見つけられないことに業を煮やした幕府は、火付盗賊改方長官に旗本・安部式部を任命する。安部式部率いる火付盗賊改の面々は密偵や時に謀略を駆使しながら、雲霧仁左衛門に迫っていく。 雲霧仁左衛門の一党は安部式部の探索から巧妙に逃れつつ、数々の盗みを完遂していく。
キャスト
木鼠の吉五郎:石橋蓮司
七化けのお千代:池上季実子
因果小僧六之助:佐藤和久
富の市:六平直政
山猫の三次:山田辰夫
安部式部:中村敦夫
山田藤兵衛:西田健
岡田甚之助:平泉成
お京:増田恵子
見どころ
いくら盗賊とはいえお努め(盗み)が鮮やか過ぎるんですよね。お見事というしかない仕事っぷりには役人までもが感心するほどで、その余りの手際の良さに痺れます。そしてあくまでもあくどく儲けている奴等からしか盗みはしませんし半端な盗賊も退治するといった盗人の「義」があるんですね。
その規模も大きく一度のお努めで何十万、何百万両といった金子(きんす)と盗みます。まるでルパンのようなその手際の良さは正に痛快です。最後のお努め以外は全て成功しています。
しかし火付け盗賊改方もバカではなく新たに長官に就任した安倍式部はかなりのやり手で徐々に雲霧一味を追い込んで行きます。そしてラストでは初めてお努めに失敗した雲霧一味のno.2木鼠の吉五郎との別れ、仁左衛門の兄との別れが待っていますが、この時の人間ドラマが絶妙なんですよね~ 😉
感想
時代劇なので渋い演出なのは当たり前かもしれませんがこの山崎努バージョンは特に渋いですね。脇を固めるキャストも最高です。オープニングのナレーションと音楽もいいですね。
この雲霧仁左衛門は他にも色んな俳優がやっていますがはっきり言ってこの山崎努バージョンが随一です。とにかく渋い、カッコいいですね。
ま~今は時代劇自体が廃れてしまいましたけど悲しい話です。こんな事言ったら悪いですがクソ下らないバラエティー番組などほどほどにしてまた時代劇でもして欲しい所ですね。とにかくこれは本当に面白かったですね。