人生は花鳥風月

森羅万象様々なジャンルを名もなき男が日々の心の軌跡として綴る

今週のお題

今週のお題「雛祭り」

 

  あかりをつけましょ ぼんぼりに お花をあげましょ 桃の花五人ばやしの 笛太鼓 今日はたのしい ひな祭り

 

 いよいよ雛祭りがやって来ましたね、この日を待っていたんです(笑)

3月といえば雛祭りですよね。嬉しい限りです (*´▽`*)

未だに「ぼんぼり」の意味とこの歌の2番目以降を覚えようともしないナマクラ者で困ったものですが 😢

でもこの神聖な行事には春の到来を感じさせてくれるものがありますし正に「花鳥風月」を思わせる日本の原風景がありますよね。発祥は中国らしいですけど。

雛祭りはだいたい女の子の行事で印象としてはあの人形が可愛いなと思うぐらいですかね。自分には子供はいないので今度姪っ子に会ったら何かプレゼントでもあげたいと思っています。

 

雛祭りは桃の節句という事で桃から連想するものといえば桃の花は美しい、桃は美味しい、桃源郷菊池桃子大桃美代子上田桃子、中村桃佳(ボート選手)等々綺麗な人やものばかりなのですが少しエロさも感じるのは自分だけでしょうか(笑)

 そして最後に忘れてはならないものが映画「モモ」です。せっかくなのでこの「モモ」の紹介でもしてみたいと思います。 

モモ

モモとは1986年イタリア、ドイツで『ネバーエンディング・ストーリー』の原作者ミヒャエル・エンデの同名小説を元に制作されたファンタジー映画です。 

 

モモ

498円

 

 キャスト


モモ:ラドスト・ボーケル

マイスター・ホラ:ジョン・ヒューストン

ベッポ:レオポルド・トリエステ

ジジ:ブルーノ・ストリ

エージェントBLW/553X :シルヴェスター・グロート 

ニコラ:マリオ・アドルフ 

ミヒャエル・エンデミヒャエル・エンデ

フージー:フランセスコ・デローザ

ニノ:ニネット・タヴォリ

時間貯蓄銀行議長:アーミン・ミューラー=スタール

 

 あらすじ 


町の円形劇場跡に住み着いた少女モモは人の話を聞くことが大の得意でモモに相談するとどんな厄介事も解決し、気付けば彼女は町中から愛されるようになる。ところがある日、「灰色の男」が現れ人々から時間を盗んでしまった。人々は時間に追われ、心の余裕を無くしてしまう。モモは皆を助けるため、時間の管理者マイスター・ホラのもとを訪れ不思議な世界に触れるのだった。

 

感想


時間を盗まれた村を助けるべく勇敢に立ち上がる少女モモの活躍っぷりが面白くスリリングで亦、人懐っこいモモの人間性も可愛らしく、ハリーポッターのような感じもしましたね 😉

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

極道女子高生 十三章

  十三章

 

 

 あやと2回目の契りを交わした後窓を開けて空を眺めると見事な満月が出ている事に気付く。満月の夜は不吉だなどという迷信に少しは動じながらも誠二は全てを話すべく改めてあやの顔を真剣に見つめた。

「何だよ改まって」

「さっきは悪かった、未だに夢に出て来るんだよ」

「誰が?」

「奈美さ」

「で、お前まだ迷ってんのか?」

「いや、もう吹っ切れた、いや吹っ切れそうなとこまで来ている」

「全然吹っ切れてねーじゃんか」

「そうでもないよ」

「そっちの方は相変わらずか~」

「あやはどうなんだよ、昇司さんの事どうするつもりだよ?」

「そうだな~私も流石に迷ってるかな」

そう言ったあやはまた誠二の身体に凭れかかる。誠二はあやの長い髪を綺麗に優しく愛撫した。するとあやは何時になく切ない表情を泛べて誠二にそっと口づけをする。

誠二は師範から訊いたあやの親父さんの事も夏休みに読んだ小説の事も洗い浚いあやに告げた。

「なるほど、そういう事か、それは大変だったな」

「そんなに簡単に言うなよ」

「簡単な事さ、お前が思った通りに生きて行けばいいだけだよ」

「それが出来たら言う事はないんだけどさ」

「ふっ」

その晩満月はまるで二人を見守っているかのように何時までも輝きを失わなかった。

 

やがて二人は高校2年生になり辺りはすっかり春一色で街には綺麗な桜の花が威風堂々と咲き誇っている。誠二はそんな桜を見て、何故こんなにも堂々としているのだ? もう少し謙虚でもいいんじゃないのか? と陰鬱な気持ちになっていた。

2年生では二人は同じクラスになった。奈美も同じだ。誠二は何故三人が一緒になるんだと運命の皮肉を恨む、奈美の事はなるべく考えないようにするしか術はなかった。

 

4月に入り正式に若頭に襲名した昇司の祝いを兼ねて親分は花見に行く事にする。

親分はあやに誠二も誘うように言った。あやは何も考えずに誠二を誘う、誠二は少し迷ったが結局は行く事にした。

ヤクザの花見ともなればそれは盛大で川沿いにある花見で有名な公園に約400㎡程の広さの席を陣取り地面には分厚い絨毯が敷かれカラオケのステージまである。それを見た誠二は愕き、改めて極道の凄さを目の当たりにした。

30人程のヤクザが集まる宴会で親分、昇司、あや、誠二と数人の若い衆達が最前列で輪を囲んで坐っている。 

親分が昇司の頭就任を祝って挨拶をするとみんなは拍手をして歓声を上げる。

一同は飲んで食って歌って大いに盛り上がっていた。

酒が進んで来た親分はあやにデュエットで歌えと言う。みんなは当然昇司と歌うものとばかり思っていたのだがあやは誠二と歌い始めたのだった。一同は驚きを隠せない、何故あんな堅気と一緒に歌うんだ? いくらお嬢とはいえそんな事は許されないといった感じでその場は一気に静まり返る。だが昇司と親分の二人だけは全く動じる気配もなくあやと誠二を見守っていた。

歌い終わった二人には拍手も少なかった。それを憚った親分が「お前らもっと拍手するんだ!」と檄を飛ばす。昇司は「まぁ親っさん」と言い、ゆっくりと口を開く。

「これからは俺が頭(かしら)だ、今日の花見は親分がそんな俺の事を祝ってわざわざ席を設けてくれたんだ、その席をお前ら少しでも暗くするんじゃねー! それは俺は無論親分に対する非礼になるんだ、分かってんのかゴラー!」と実に渋い啖呵を切った。

それを訊いたみんなは立ち上がって大きな声で「すいませんでした!」と詫びを入れた。

昇司は二人に対して「流石だなお二人さん、いい歌声だったよ」と相変わらずの鋭い目つきで賛美を贈った。

その後宴会はまた盛り上がり始める。誠二は飲めない酒を結構飲まされていたのでトイレが近くて仕方ない。既に三度目のトイレに行き用を済ませると外にはあやが待っていた。

二人は川を眺めていた。川沿いに咲く夜桜は実に美しく月と街灯りにライトアップされた桜の花が川面に蒼く映る。あやはそんな川を見ながら「綺麗だな~」と呟く。

「ああ、めちゃくちゃ綺麗だよ」と言った誠二の顔を見てから手を繋ぐ。

「お前さっきはよく歌えたな」

「流石にビビったけどな、でも行く道は行くしかないと思ってな」

「お前何時そんな言葉覚えたんだよ」

「さあな」

その誠二の横顔は何時になく勇ましく見えた。

 

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それからの誠二は無性に強くなりたくなり空手の稽古に打ち込んだ。もはや師範の心配していた事などどうでも良い、とにかく強くなれなけらばあやを真に愛する事も出来ない、それにもしまた奈美に誘われるような事があっても稽古を口実に断る事も出来る。正に一石二鳥ではないかと我ながら良い案だった。

師範も誠二の覚悟に圧倒されたのかその身の入り方からも彼の意気込みを感じずにないられない、二人は稽古以外の事は何も口にせず淡々と稽古に没頭していた。

 

あやもあやで誠二に負けず劣らず意気揚々と日々を過ごしていた。花見からというものあやの目には空、山、海、街の風景全てが清々しく見え日常生活でも何の不満もなかった。唯一の不安はやはり昇司の事だったがこればっかりは成るようにしか成らないと割り切る事にしていた。

 

夏になり学校では体育の授業で水泳の練習もしていた。あやは入れ墨の件で中学生の頃から水泳には参加せず見ているだけだった。他の生徒も先生その事は知っていたような感じだ。誠二は水泳はあまり得意ではなかったが一生懸命に頑張って泳いでいた。その姿をあやと奈美は遠目で見つめている。あやと奈美はプールサイドでふと目が合った。二人は一時目を離す事が出来ずにいたのだが誠二が100mを全力で泳ぎ切り疲れた顔でプールサイドへ上がって来るとあやが「お疲れ~」と言って近寄りタオルまで掛けてやっている。それを見た奈美は無意識に誠二から目を移し友人達と喋り出した。

友人の女の子達は「もうあんな子の事忘れなよ、あの二人は完全に出来上がっているわよ、もうどうにも出来ないよ」と二人をチラチラ見ながら小声で喋っていた。

だがそんな二人の関係を余りヨシとしない輩も一応はいたのだ。それは1年生の頃誠二を虐めていて奈美にも一度手を上げた三人組だった。

この三人は普通に相手したのでは今の二人に敵う訳がないと踏んで陰険な手に打って出る事にした。その為には奈美の力が必要であった。三人は奈美に近寄り敢えてあやに手を上げられるように仕向ける策を思いついた。その事を頼まれた奈美は一時は躊躇したものの「分かった、やるわ」と引き受けた。

奈美は学校のみんなんがいる前であやに必要以上に迫る。それはあやが誠二を拐しているようなに見せる内容で亦あやがヤクザの娘である事に託けて調子に乗っているといった感じのものだった。始めは相手にしていなかったあやも余りの悪口雑言にキレて奈美に手を上げた。事は成就したかのように見えたが一発叩いただけで潤んだ奈美の目を見たああやは、これは何か裏がある、奈美の考えた事ではないと思いそれ以上は何もせずに「もう諦めな」とだけ言い置いて立ち去る。そんなあやに奈美はやはり敵わないのかと悲嘆に暮れたいたのだった。

あやも誠二も直感的に三人の事が目に浮かんだ。あの三人にはもう一度ヤキを入れる必要があるかと思ったがあやがそれを止めた。「これ以上は何もして来ねーよ」

「そんな事分かんねーだろ」

「いや、女のいや、ヤクザの娘としての感さ、間違いねーよ」

誠二は奈美の時と同じく女の感というものはそんなに当たるものかと訝ったがあやの言う通りにしようと思った。

あやの言う通りその後は何も起こらず凪のような日々が続いていた。

 

夏の暑さが終わったと思うと秋は一瞬にして過ぎ、数日後には修学旅行が迫る冬の厳しさが立ち込める中、奈美の心はまた揺らぎ始めていた。

それは怖ろしい夢から来たものであったのだ。

 

 

  

 

 

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天人五衰

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 言わずと知れた三島由紀夫の最終作天人五衰今日はこの作品のレビューに挑戦しようと思うのですがはっきり言って自信はありません。まず自分のような凡人が三島作品について語る事自体烏滸がましいのですがその素人目線で率直な感想を綴ってみたいと思います。

 

天人五衰とは

まず天人五衰そのものの意味としては天人五衰(てんにんのごすい)とは、仏教用語で、六道最高位の天界にいる天人が、長寿の末に迎える死の直前に現れる5つの兆しのことで 、以下のものとされています。 

1-衣裳垢膩(えしょうこうじ):衣服が垢で油染みる

2-頭上華萎(ずじょうかい):頭上の華鬘が萎える

3-身体臭穢(しんたいしゅうわい):身体が汚れて臭い出す

4-腋下汗出(えきげかんしゅつ):腋の下から汗が流れ出る

5-不楽本座(ふらくほんざ):自分の席に戻るのを嫌がる

 

 そして小説「天人五衰」は豊饒の海シリーズの最終章に位置します。

豊饒の海三島由紀夫の最後の長編小説で『浜松中納言物語』を典拠とした夢と転生の物語で『春の雪』『奔馬』『暁の寺』『天人五衰』の全4巻から成り、第一巻は貴族の世界を舞台にした恋愛、第二巻は右翼的青年の行動、第三巻は唯識論を突き詰めようとする初老の男性とタイ王室の官能的美女との係わり、第四巻は認識に憑かれた少年と老人の対立が描かれています。

構成は、20歳で死ぬ若者が、次の巻の主人公に輪廻転生してゆくという流れとなり、仏教の唯識思想、神道の一霊四魂説、能の「シテ」「ワキ」、春夏秋冬などの東洋の伝統を踏まえた作品世界となっています。 

 

この中で自分が好きだったのは2番目の 「奔馬」なのですが何故かといえばこの回の主人公ともいえる飯沼勲の志が凄まじいからです。この少年は右翼思想に傾いていて明治の神風連に憧れ昭和の神風連なるものを結成して反乱を企てますが結局失敗に終わります。ですが最期は勲の本命であった一人の男を殺害して自分も自刃してしまいます。

 

自分ははっきり言って右左の二元論には興味はないのですけど、この勲の凄まじいまでの志、何があってもそれを全うしようとする一貫性が好きですね。いくら物語とはいえ惚れます。憂国の武田信二もそうですけど時代の違いを踏まえた上でも感動しますね。三島自身の根底にもそういう拘りがあったからこそあんな事件を起こしたのではないでしょうか。ま、これこそトーシローの邪推なのであまり触れないでおきますが。

 

逆に一番好きではなかったのが正にこの天人五衰です。その理由は至ってシンプルで主人公の本多繁邦の扱いが余りにも不憫だからです。最後に転生を果たした人物と思い養子に貰った透に年老いた本多は虐められ惨めな状況に陥ってしまいます。ですがその透も失明してそれまでの元気だった身体を失います。この時自分はザマァと思いましたね。浅はかな考え方かもしれませんがそれが正直な気持ちです(笑)

 

でも硬い話ばかりでなく登場人物は常に恋をしています。ただ一言に恋と言っても単なるラブストーリーではなく悲劇的なものが多いんですよね、そんな切ない恋だからこそ面白いとも思いますが、三島はよっぽどハッピーエンドで括るのが嫌いだったのでしょうか。

 

天人五衰の最後

第1話に出て来る本多の親友である松枝清顕との恋を果たせず月修寺の門跡となるべく出家していた聡子。本多はこの聡子に死ぬ前にもう一度会っておきたいと最期の最期に60年振りぐらいに会いに行く決心をして無事目通りする事が出来たのですが、始めは軽い世間話や昔話をしていていよいよ本題の清顕の事について訊こうとすると何と聡子にすかされてしまうのです 😨😱

聡子は本多の事は良く覚えているのに清顕の事は全く覚えてないと言います。勿論そんな筈はないと本多は反論するのですが聡子は「今目に映っているものが真実とは限らない」とか言った仏教の概念的な事を謳い出します。これには流石の本多も愕きを隠せずにいましたがその後は門跡である聡子が自ら本多を素晴らしい寺の庭に案内して物語は終わってしまいます。

4部からなるこの長編小説のラストがこんな終わり方でいいのかと思いましたね。余りにも切な過ぎます。

聡子はただ惚けていただけなのだろうか。確かに仏教的な観点から言えば聡子の言っている事にも一理はあるかもしれませんが死を悟った本多がせっかく60年振りに会いに来たのにそれはないだろう! というのが率直な感想ですがこの辺にこそ三島ワールドがあるようにも思えます。

本多はその人生で決して過激な振る舞いはせずに賢い生き方を全うしたように思えます。若くして死んでしまう清顕や勲、ジンジャンとは真逆な人生を送っています。それが最期になって一気に形勢逆転、聡子の一言によって80年の長きに亘る人生に一気にピリオドを打たれたと言っても過言ではないような気もします。

やはり三島はハッピーエンドが嫌いなのか? と思うのは素人の浅はかさでしょうか。

 

この天人五衰のラストについては色んな著名人が解釈をしていますが三島本人の真意はどうなのでしょうかね。それこそ真実など誰にも分からない、三島由紀夫自身にも分からない事なのかもしれませんね 😉

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

極道女子高生 十二章

  十二章

 

 

 年が明けて早や3月。寒さも幾分緩和して辺りには桃の花が美しく咲き乱れている。

実はこの梅、桃、桜の花は共に薔薇科桜属の植物で見た目が似ていても仕方なく、その違いは花の付き方と花びらの形に依るものである。

 

3月中旬、あやの一家では定例幹部会が行われていた。

そこには名だたる直参の親分衆が列席していて昇司の姿もあった。昇司は何時ものように渋い佇まいで少し俯き加減で顎を引いて威風堂々と坐っている。あやの父親はそんな昇司を見て、やはり自分の後釜はこの男を置いて他にはないと確信していた。

幹部会ではそれぞれの組織の近況報告と次期執行部の人選が行われており親分は昇司を若頭に推した。

だがこれには結構異を唱える者がいてその言い分はだいたいこんな感じであった。

「昇司さんは確かに武闘派で若い衆達からも慕われてはいるが今の時代それだけでやって行けるんですかね~、昇司さんはあくまでも彫り師が本業でシノギといえば昔ながらの博打と喧嘩、堅気さんのケツを持つ事ぐらいでしょう、ちょっと不安ですね~」

すると親分は「お前ら、今まで誰のお陰でこの一家が安泰でやって来れたのか分かった上で言ってるのか? おー! 今みたいな腑抜けた時代に昇司ほど頼りになる者はいない、お前らの中でここ数年出入りで活躍した奴がいるのか?」

一同は返す言葉もなく黙っていた。

頭の選出は入り札で行われたのだが結局四分六で昇司が次期若頭に選ばれたのである。

親分はほっとしていた。

「昇司、これからも頼むぞ!」

「へい、分かりました。全力で組に尽力致します」

親分は組長の代替わりでもないのに昇司の若頭就任の盃の儀式を盛大に行った。

 

誠二はもはや奈美との事は吹っ切れたのか今ではあやとは正に相思相愛で二人は甘い恋物語を演じていたのである。

或る日あやはスナックに飲みに行こうと誠二を誘う。誠二は「何で飲み屋なんかに行くんだよ? 俺酒飲めねえし」

「別に飲まなくてもいいんだよ、一緒に喋って歌って遊んだらいいだけだよ、結構楽しいぞ」

「ふ~ん、行くだけなら別にいいけどさ」

二人はあやの行きつけの店に行った。ママが「あらあやちゃん、今日はお二人でデートなの? いいわね~」と快く迎えてくれた。誠二は初めてだったので取り合えず軽く挨拶を済ませ大人しく坐っているだけだった。

するとママが「大人しい子ね、あやちゃん、ちゃんとエスコートしてやりなよ」と笑いながら言う。「それは任せておきなって、それはそうとこの前は悪かったな、迷惑かけてよ」

「そんな事はいいわよ、あの人も反省していたみたいだし、寧ろ私はあやちゃんに惚れ直したぐらいよ」

「ママ、やめなよ、ベンチャラは」

誠二はソフトドリンクを飲んでいたが何時の間にか周りの雰囲気に流されて自分まで酔ったような感じになり積極的に喋り出し歌も歌うようになっていた。

「どうだ、楽しいだろ?」

「結構いいもんだな」

みんなは大いに盛り上がり店内は明る空気に満たされていた。

     

店を出て歩いているとあやが少し休んで行こうと公園のベンチに腰掛ける。

既に夜10時を過ぎていて辺りは人影も疎らであった。

煙草に火を着けたあやは遠くを見つめながらこう言った。

「この前昇兄ぃが頭に就任したよ、どう思う?」

「どうって訊かれても、俺にはヤクザの事なんか何も分からないし、答えようもないけど、あの人なら安心出来るんじゃないの?」

「なるほど」

「・・・」

「実はこの前親父に昇兄ぃと一緒になれって言われたんだよ」

「何だって!」

愕いた誠二の顔を見たあやは嬉しくなった。

「で、どうするんだよ?」

「分からなねえ」

「分からないって、迷ってんのか?」

「いや、迷ってる訳じゃねえけど自分でもどうしたらいいのか分からないんだよ」

「でもまだ俺達は高校生なんだし焦る事もないだろ」

「確かにな、でもなるべく早いうちに結論を出しておいた方がいいような気もするんだ」

「・・・」

公園を後にした二人は何も口にせずに歩いて家まで帰る。

3月になったとはいえまだまだ寒く強い北風が吹いていた。

 

家に帰った二人はまた夢を観たのである。

それは実に現実味を帯びており恰もこれからの二人の行く末を暗示しているかのような

夢であった。

あやの夢には相変わらず誠二が出て来るのだが今度は誠二もヤクザになっている。背中には墨も入れており風格のある立派な極道の出で立ちであやに対しても強気な口調で話している。そんな誠二にあやはメロメロで今の関係とは真逆な光景であった。

他方誠二の観た夢には相変わらずもう一人の見知らぬ女が登場して来る。

その女はあやに勝るとも劣らぬ綺麗な容姿で常に誠二の心を乱して来るのであった。

誠二はその女に惑わされている風でもある。そしてその女といよいよ床に就こうとした

時に夢は覚め誠二は起きた。

これは一体どういう事なんだ? 何故同じような夢を何度も観るんだと誠二はまるで御伽噺の世界にでも迷い込んだのか、或いはデジャブなのかと錯綜した思いに苦しめられる。この女はまさかと思い窓を開けて空を眺めた。

その朝も雲一つない晴天であった。

 

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あやは日課である二頭の愛犬にハグをしてから登校しようとしていた。

家を出ると近所のおばちゃんが「あやちゃんおはよう、学校頑張ってね~」と愛想の良い声を掛けてくれる。あやも「あいよ~」と快活に挨拶を返し元気に登校した。

学校に着いたあやは真っ先に誠二に会いに行く。その途中で奈美の姿が目に入ったのだがもはや今のしゃには奈美など眼中にもなく何も言わずに通り過ぎて行った。

奈美は少しだけ振り返ったが深追いするつもりもなかった。

 

誠二に会ったあやは昨晩観た夢の話をした。誠二も同じく自分の観た夢の話を一切繕う事なく話す。するとあやは「よくバカ正直に言えたな」と感心している。

誠二にはよく分からなかったが恐らくあやは自分と奈美との縁が切れたと思ったのだろうと安心して言ったのだと思った。

だがあやの夢に出て来た自分の姿には戸惑いを隠せなかった。何故俺はヤクザなんだと。勿論誠二はヤクザになるつもりなど全くないし冗談でも考えた事すらない。

しかしその話をしている時のあやの目には何か切ないものを感じる。あやは俺にヤクザになって欲しいのかと訝るぐらいであった。

誠二は思い切ってその事を訊こうとするとあやは「話はここまでだ、じゃあまた放課後な」とだけ言い置いて立ち去る。誠二は先を越されたと少し悔しい気持ちになった。

 

午後からの授業中あやは相変わらずサイコロを振っていた。

見るに見かねた先生が珍しく注意して来たのだがあやは「別に誰にも迷惑は掛けてねーだろ!」と言うと先生も何も言わなくなりそれからはあやの顔を見る事すら無かった。

 

放課後になりあやは当たり前のように誠二を誘う。「今日は何処に行く?、カラオケか? 海か? 或いは・・・」

「或いは何だよ?」

暫く間を置いた後あやは「或いはホテルだよ」

「何だって?」

「だからホテルだっての、こんな事女に何度も言わせるなよ!、相変わらず乙女心が分からない奴だな~」

「あやは乙女だったのか?」と言うとあやは軽く笑った。

「ホテルってまだ高校生の俺達を入れてくれる訳ないだろ?」

「それがいいとこがあんだよ、蛇の道は蛇、私はヤクザの親分の娘だぜ」

「なるほどね~、貸し切りのプールにスナック、次はホテルか、羨ましいよ」

「・・・」

あやにはその羨ましいという言葉の意味がいまいち分からなかった。

 

まだ時間が早いので二人はゲームセンターで時間を潰した。何時ものようにパンチングマシーンをして遊んでいたのだがもはやそれも飽きてきたあやはコインゲームをし出した。競馬や、ポーカー、ブラックジャックにルーレットゲームまであって金を賭けないカジノゲームといった感じであった。

二人はポーカーのダブルアップでぐんぐん持ちメダルを増やして行きその数は優に千枚を超えていた。二人は大いに盛り上がってゲームに熱中していた。

人間というものは不思議な生き物で何かに熱中している時は時間が経つのが実に早く感じられる。時計を見ると既に夕方6時半を過ぎていて日は沈みかけていた。

そしてあやはそろそろ行くかと声を掛けると誠二は何時になく上機嫌で「そうだな!」と返事をする。あやはこいつ今から何処に行くのか分かってるのかと誠二の顔を見て訝った。

そこはホテル街で駅を降りるとそれらしきカップルが結構歩いている。あやは誠二の肩の凭れながら歩く。すると誠二が「何だよ、珍しいなあやのそんな恰好は」とまた鈍感な事を口にする。「お前は本当にバカなんだな、こんなとこで肩で風切って歩いていたらおかしいだろ! ちょっとは頭使えよ」と言うあや。

誠二はそうだなと今更のように自分の振る舞いを恥じた。

 

まだ寒い風が吹く中、二人はいよいよホテルの着いた。誠二はどうすればいいのかさっぱり分からなかったが、あやがさっと慣れた感じで部屋と取り何時の間にか二人は如何にもいやらしい雰囲気が立ち込める部屋に辿り着いていたのである。

その部屋には大きなダブルのベッドが置いてあり内装は少し派手で所どころに光を灯すイルミネーションが何か卑猥である。とてもなじゃいが普通の家の部屋ではない。

そんな状況に少し誠二は戸惑ったが坐るなりあやはいきなり誠二に抱き着く。誠二は取り合えずあやに口づけを交わしてその後目を見つめ合った。

二人は何も言わずに見つめ合っている。少しぎこちない誠二の様子にあやは軽く笑みを泛べる。すると誠二も笑う。そしてまた厚い口づけを交わした。

あやの身体は相変わらず美しい、長い巻き髪に綺麗な項、透き通るような白い素肌、しなやかな越しつきは誠二を酔わせた。

誠二は思う存分あやの身体を堪能したのだが途中で夢に出て来た女の顔が頭をを過る。

「またあの女が出て来やがった! 何故こんな時に出て来るんだ、お前は一体誰なんだ!」と不安になって誠二は思い切りあやの乳房を強く揉み出した。明らかに力が入り過ぎている。するとあやが「ちょっと痛いよ、どうかしたのか?」と問う。

誠二は我に帰り再びあやの身体を貪った。

 

事が終わった後あやが言う「お前さっき何か他の事考えてただろ、何なんだ?」と。

誠二は正直に言おうと決心した。

 

  

 

 

 

 

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3月といえば

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     正月の 想いも抜けぬ 弥生かな

 

 いよいよ3月になりましたか。本当に1月2月は早いですよね。この前正月が来たばかりなのに、この前まで年末だったのに、この前40歳になったばかりなのに、30代、20代、10代、そして生まれたばかりと。何処まで遡るのかって話ですね。とにかく正月大好きな自分としては春の到来にも複雑な心境なんですがこんなネガティブ思考ではいけません(笑) ディオのザ・ワールドでも使わない限り一瞬たりとも時を止める事など出来ないのです。

という事で寒い1月2月が終わりせっかく3月になった訳ですから来たるべく春に向けて心も晴れやかにしておく必要があると思います (*´▽`*)

 

3月といえば

雛祭り、桃、彼岸、高校野球、桜の開花、春分の日、卒業等々、結構あるものですね、忙しい限りです。勿論自分は全然忙しくはないですけど 😒

ま~この中で興味あるものがあるとすればまずは。何故桃なのかといえばやはり

「桃園の誓い」つまり三国志なんですね~。

劉備関羽張飛の三人の豪傑が桃の樹の下で「生まれた時は違えども死ぬ時は一緒だ」と義兄弟の契りを交わす訳ですが三国志の名シーンの一つですよね。カッコいいです。

高校野球も昔は良く見てましたけど今はそこまでの関心もないかな~という感じですね。桑田、清原時代は面白かったですけど。

彼岸は興味あるなしに関わらず重要ですよね。最近は墓参りに全然行けていなかったので今度の彼岸には行かねばと思っています。

そして最後に卒業と。3月を語る上で卒業か欠かせないと思うのですが自分が一番思い入れのある卒業式は小学校ですね。この時は泣いた思い出があります。特に「仰げば尊し」をみんなで歌う時にはいつの間にか涙が溢れて来るんですよね~ 😂

懐かしい思い出です。

 

卒業ソング

そして卒業といえばやはり歌ですよね。そこで自分の好きな卒業ソングベスト4でも挙げてみたいと思います。

 4位ー春なのに<柏原芳恵


ちょっと切ない曲ですが好きでしたね~。

未だに榊原郁恵と間違ってしまいますが柏原芳恵の方が明らかに色っぽいですよね(笑)

 

3位ーDon't need to say good bye <鈴木亜美


 単にメロディーが好きでしたね。別に鈴木亜美自体にはあまり興味はないのですが、今はどうなさってるのでしょうね。

 

2位ー卒業<菊地桃子>


 菊地桃子は可愛かったですね~。はっきり言ってタイプですね 😉

80年代を代表する女性歌手の一人ですよね。

 

 1位ー卒業<尾崎豊


やはり尾崎ですよね。最高です。これは自分の好きな尾崎のベスト10にも入っています。因みにno.1は十七歳の地図です。

この曲について一つだけ言わせて貰うとすれば「夜の校舎窓ガラス壊して回った」というフレーズ、これはちょっと軟派で陰険に感じますね。どうせなら昼間に堂々とやれよと。下らない拘りですね(笑)

とにかく尾崎は最高です。今はこういう感じのアーティストがいないような気がして淋しいですね~。

 

という事で3月も前向きに生きて行きたいと思います^^

 

 

 

 

 

 

 

 

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極道女子高生 十一章

  十一章

 

 

 誠二は師範と向かい合ったはいいが何も言えなくただ立ち尽くしていた。何故か言葉が出て来なかったのである。そんな誠二の心中を察してか少し風が吹き始めたと同時に師範は言葉巧みに喋り出した。

「お前も本当は迷ってるんだろ? 顔を見れば分かるよ、今日の稽古もそうだ、俺は正拳突き一つ見るだけでそいつの心理状態まで手に取るように分かる、お前は今日ここに来るべきじゃなかったんだ、いや空手を習うべきでもなかったかもしれない」

誠二はやっとこさ口を開いた。「何故そこまで仰られるのですか? 自分は空手を始めてから心身共に強くなりました、その事は師範も御存知の筈、流石に心外です」

「いや、お前はただ喧嘩が強くなっただけだ、心は全く強くなっていない、寧ろ今でも惰弱なままだよ」

「・・・」

「何故だか分かるか? 現に今も迷いながら喋っているからだ」

「人間というものは迷う生き物でしょ?」

「確かにな、でもお前のは優柔不断が過ぎるし優し過ぎる」

「それがそこまでいけない事なんですか?」

「ダメだな、特に格闘家としては致命的だ」

「いくら師匠とはいえそこまで言われる筋合いはありません、それなら自分がこの道場に志願して来た時何故受け入れたんですか?」

「確かにそれは俺の過ちだったな、言い訳するつもりじゃないがお前とあやの関係がそこまでとも思っていなかったしな」

「自分は自分の道を行くだけです」

「ちょっと待て、これは言いたくなかったんだがあやの親父さんは人殺しもしてるんだぞ、それでもまだあいつと付き合うのか? お前にそこまでの覚悟があるのか?」

ヤクザならそれぐらいの事はあってもおかしくはない、だがそれを改めて師範の口から訊いた誠二は少し狼狽えた。

「ほら見ろ、ビビったろ、お前は所詮その程度の男なんだよ、だがあやは違う、その事を知った上であんな風に生きてるんだからな、大元が違うんだよ」

誠二は暫く考えた後に「それでも自分はあやが好きなんです!」とだけ言い置いて立ち去る。師範はその後ろ姿を数秒間見てから道場に帰った。

その日も街路には紅葉の花が咲き誇っていたが今の誠二の目にはあまり綺麗に映らず憂鬱な気持ちのまま家に帰る。恋愛経験が初めての誠二にとってはかなりのハードルだったのである。

 

晩御飯の時もはや母は何も言及しない、そんな母の顔を見ていたら尚更気が重くなる。師範の言った通りやはり大元が違うのかなと心の中で呟いた。

部屋に入った誠二はまた刀を抜いた。これに縋るしかなかったのである。鞘から抜くと何時ものように烈しい閃光が迸る。その眩しい光を凝視するとやはり力が沸いて来る。

誠二はもう後戻りは出来ないと心に誓った。

 

その後数日が経ちいよいよ体育祭の日がやって来た。学校の中は生徒も先生も勇み立っている。体操服に着替える時誠二はヤル気満々になりそのあまりのアドレナリンに愕いた同級生達は「どうしたんだ誠二、もう少し落ち着かないと巧くいかないぞ」と諫めるぐらいであった。

その日は正に体育祭日和の良い天気でヒコーキ雲まで出ている。空を見上げたあやは嬉しくなり「よっしゃ!」と周りを憚る事なく叫んだ。

順調に一つ一つの種目が消化され次は徒競走の番だ。あやも誠二も力が漲っていた。

当然の結果のように女子ではあやが一等賞でこればかりはみんなも仕方がない様子であった。その後に行われる男子では誠二がこれまた見事に一等賞になり二人は遠目ながらもお互いアイコンタクトを取る。誠二は一安心した。

昼休みに入りあやは自分の方から誠二に会いに来た。

「おう誠二、お前足も速くなったな、流石だよ、また惚れ直したかな」と快活に笑いながら言うと誠二も「あやも流石だったな、ま、他は話になれないだろうけどさ」とベンチャラを言った。

「お前ところで昨日は道場に行ったのか?」

「何で知ってるの?」

「夕方暇だったんで電話したんだけどいなかったからさ」

「そうなんだ、何か用でもあったの?」

「いや別に何もないけどちょっと声が聴きたくなってな」

「さ、昼からも頑張るか!」

「そうだな!」二人はハイタッチをて元気良くグランドに駆けて行った。

 

残るリレー走も組体操も難なくこなし最後にダンスが待っていた。

男子生徒は緊張しながら女子生徒の手を握る、実に初々しい思春期の光景である。

中には男子の手にほんの少し触れるだけの女子もいたが誠二にはそんな事はどうでもよくあやと踊る事だけを楽しみにしていた。短い時間ではあるがあやと会うまでの時間は実に長く感じられる。二人は既に契りも交わしているのに不思議なもので誠二はドキドキしたいた。そしていよいよあやと踊る刻が来た。

二人は強く手を握り合う、少し汗ばんでいる誠二の手にあやは嬉しくなった。「こいつはやっぱり私の事が好きなんだ」と。誠二の脇の下をクルっと回る時にあやはふざけて誠二の腰の横側を指先で突いた。誠二は笑っている。これだけ大勢の生徒達がいる中であやと誠二は二人だけの空間を築いていたのであった。

だが誠二にとっては奈美というハードルがまだ残っている。奈美はあやから数えて5番目ぐらいの位置に居た。誠二は昨晩刀に誓ったようにもはや迷いはしまいと思いながら奈美近づいて行く。あやの時とは違って奈美の手には触れるぐらいに力加減をして軽く踊っていた。しかし奈美はそんな誠二の察したのかあや以上に強く手を握って来る。

痛いぐらいだった。誠二は思わず口に出した「奈美ちゃん力入れ過ぎだよ、どうしたんだよ」と。だが奈美は何時までも手を離さない、このままでは次に行けない、誠二は焦った。強引に手を振り解いた時奈美は誠二の顔を睨みつけた。あれほど固く誓った筈の誠二の心はまた揺れたのである。

 

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体育祭が終了したグランドには嵐の後の静寂が漂っていた。

祭りのあととは何時も淋しく虚しいものがある。他の生徒達は清々しい顔つきをして下校していたが誠二にはそう快いものでもなかった。

学校から帰る頃誠二は今日はあやに付き合うつもりでいたのだがまた奈美が近寄って来る。誠二は「奈美ちゃん俺今日はもう帰るから」と言ったのだが奈美は何時になく真剣な面持ちで「これからちょっと付き合って!」と言うのである。

そこに計ったようにあやが来た。あやは「おう誠二、これから遊びにでも行くか」とさりげなく当たり前のように誠二を誘う。

誠二はどうしていいのか分からずにまた迷う。すると奈美が言う。「あやちゃん悪いけど今日は誠二君借りるから」とえらく強気だ。

「何だよお前、まだ誠二に纏わりついてんのかよ」

「今日は私の方が先客よ、物事には順番ばあるでしょ?」

「何言ってんだよお前、いいから帰れよ」

「いいや、今日は絶体帰らないわ」

「何時も逃げてばかりなのに珍しいな、ま~いいや、今更お前が何を言ったところで誠二は動じないし今日だけは譲ってやるよ、じゃあな!」

奈美は誠二を勝ち取った気持ちになっていたが誠二は相変わらず怪訝のうな顔をしている。そんな誠二の顔をみた奈美は少し安心したのだった。

 

誠二は「何処にいくんだよ」と頻りに訊いたが奈美は何も言わずに歩いているだけだ。

二人は道中一言も喋らないまま気が着くとまた夕暮れ時の海に辿り着いていた。

腰を下ろしたあと奈美は誠二の身体に凭れて「誠二君、どうしても私じゃダメなの?」と訊いて来る。

「だからその話はもう済んだだろ、俺はあやが好きなんだって、何度言わせるんだよ」

「いいや、あなたは絶体あやの事好きじゃないわ絶体に!」

「何で分かるんだって?」

「分かるものは分かるのよ!」

暫く沈黙した後奈美は制服の上着を脱ぎ出した。それを見た誠二は咄嗟に「何してるんだよ、やめろよ!」と言ったが奈美は躊躇う事なく脱ぎ出す。

奈美は上着を脱ぎ捨てて誠二に軽くキスした後、素早く誠二の手を握り自分の乳房に当てた。その表情には何か凄まじい覚悟が滲み出ている。品の良い奈美がこんな事をするのはおかしい。だが誠二の手が既に奈美の乳房に触れている事は自明の事実であった。

誠二は成すすべなく奈美の思うように操られていた。

奈美の乳房はあやのそれより一回り大きくて弾力がある。誠二の心は一時女の色香に堕とされていたがふと我に返った誠二はまた強引に手を離した。

すると奈美は少し潤んだ目付きになり「何で離すの? そんなに私の事嫌いなの?」と言う。「そんな事ないけど、俺にはあやがいるんだ、ただそれだけだよ」

「ふん、律儀な事ね、浮気は絶体にしないのね、そんな誠二君だから私も好きなんだけど」

「・・・」

「じゃあこれならどう? 私と寝てみる? セックスしてみる? 私まだ処女よ」

「そんな下品な事言うなって、奈美らしくないよ!」

「私本気よ! どうなの?」

「・・・」

誠二が答えに躊躇していると辺り一気には暗くなり雷鳴が聴こえて小雨が降り出した。

「奈美ちゃん雨だよ、今日はもう帰ろう」

「私は別にこのままでもいいけど」

誠二は奈美の手を引いて家路を急いだ。

奈美は何も言わずに誠二と別れた。誠二はその姿が見えなくなるまで見守っていた。

 

家に帰った誠二は風呂に入り疲れを癒やす。鏡を覗くと今顔を洗ったばかりなのに何かさっぱりしない憂鬱な表情をした自分の顔が映っている。誠二はやりきれない思いで風呂場を出て部屋に入りそのまま横になった。その後また刀を抜いて鋭い刀身を眺める。

奈美に誘われはしたが俺はちゃんと断った。今日は何もなかったんだと自分自身に言い聞かせる。そして刀を一振りして鞘に納め深く深呼吸すると少し気持ちが安らいだ。

もう雨も止んで綺麗な夜空になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

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ルパン三世 ルパンVS複製人間

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  マモーは「自らを産み自らを育んだ」と言っていますが、それじゃあ元祖マモーは何処から産まれたんだという疑問は鶏と卵の論争と同じなので深く考えても無意味でしょうね(笑)

自分もルパン好きの一人なのですがそんな自分の一番好きなルパン劇場版といえばこの「ルパンvs複製人間」です。

ルパンといえば「カリオストロの城」が有名と思いますが、自分は何故かこっちの方が好きですね。理由は純粋に面白い事とルパンに限ってはあまり感動路線はいらないみたいな感じでしょうか。

言い方は悪いですがそれが率直な意見です。

あとルパンシリーズも長いですけどやはり古い方が面白いですね。テレビシリーズでも二期が有名ですが自分は一期が好きです。テーマ曲もそうですね。拘りが強過ぎて困ったものです^^

という事で「ルパンvs複製人間」の紹介をして行きたいと思います。

 

あらすじ 

ルパンが処刑された。 だが、銭形警部はそれを信じようとしなかった。その銭形警部の前に、処刑されたはずのルパンが姿を現した。処刑されたのは、ルパンそっくりの人物だったのだ。 その後、ルパンはエジプトのピラミッドに眠る賢者の石を盗み出し、不二子の待つパリに向かった。不二子はルパンから賢者の石を騙し取り、ある依頼人のもとに行く。その男はマモーと名乗った。しかし、その石はルパンに偽物とすり替えられていることにマモーが気づき、ルパンはマモーに追われる身となる。 逃げ続けるルパン達の前に再び不二子が現れ、またもや騙されるルパンに、次元と五ェ門は愛想を尽かし、ルパンの元を去っていった。その次元と五右ェ門のところにゴードンという男が現れて、二人はマモーがアメリカとソ連を脅していることを知る。そのころルパンはマモーに捕らわれ、カリブ海の孤島に運ばれていった。 マモーはルパンに不老不死の話を持ちかけるが、ルパンは相手にしない。そして米軍がマモーへの攻撃を開始した。ルパンは島から脱出したが、マモーに不二子を連れ去られる。 果たしてルパンはマモーに勝てるのか?

 

見どころ

 何時ながらルパン一味の手際の良さが見事ですよね。とっつぁんの執念も凄いです。

ルパン一味のちょっとした仲間割れも見どころの一つです。

不二子に対するルパンの下心を咎められたり、「やはり不二子の裏に組織ありか」

という次元の台詞もいいですね~。

五右衛門が次元に対して「一度その帽子を刻んでみたかった、禿げでも隠しているのかと思ってな」という台詞も良いです 😎

そしてマモーに挑んで行く訳ですが、マモーの神がかり的な強さには流石の次元も後退りする中ルパンだけは決してマモーの力を信じようとはせずに立ち向かって行く勇敢さは流石です。

でも結局は仲間の絆はしっかりしているんですよね。

 

まとめ

とにかくこの作品は感動するようなシーンなどはほとんどないと思います。でも面白いんです。劇場版一作目という事もあってその辺がルパンの原点でもあるような気もします。だから自分はBGM的な感じで観ていますね。

安心して観れるみたいな、ちょっとゆるい言い方ですがルパンはそれで良いというにが主観ですね。でも一見の価値は十分あると。

そして自分もルパンのように大金をゲットしてみたいものです 😉

 

 

 

 

<DMMで観る> 

ルパン三世 ルパンVS複製人間

 

 

 

 

 

 

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