人生は花鳥風月

森羅万象様々なジャンルを名もなき男が日々の心の軌跡として綴る

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

まほろばの月  十七章

寒い冬に見る花鳥風月といえばやはり雪が思い浮かぶ。風花雪月、この日東京には雪が降っており、真っ白に染まった街は美しくも切なく、鳥は巣に籠り或いは南方へと避難し、雪が被さった花はその姿を潜め辛抱強く春の到来を待ちわびる。そんな中、太陽と月だ…

今週のお題 ~単なる好きな曲

今週のお題「わたしのプレイリスト」 五月晴れ 夏を想わす 暑さかな(笑) いやいや、暑いですね~。例年の如く春と秋は短いですね。この調子で行くと6月上旬には30℃を超えてしまいそうな感じもするのですが、天の時には勝てませんと という事で(どういう…

まほろばの月  十六章

裕司の死に依って昭然たるものとなった輝夜一家と友仁会との抗争はもはや避けられない。本職のヤクザと揉める事は一家の掟に反する訳だが、切迫する事態は一向に彼等に安らぎを与える事はなく、更なる奇策が求められた。当然まともにやり合ったのでは勝ち目…

まほろばの月  十五章

「清吾、港に行け」 「へい、分かりました」 真っすぐ隠れ家に帰ったのでは他の子分達に動揺を来たすと憂慮した阿弥には、港で裕司を始末する腹積もりが既に出来ていたのだった。清吾も波子も阿弥の気持ちは察していた。しかし阿弥の只事ならぬ真剣な眼差し…

まほろばの月  十四章

冬の日の短さは実に好都合だった。闇夜にあってこそ真価が発揮出来る彼等は自分のゾーンに入ったと言わんばかりに、今までとは打って変わって勇ましく動き出した。 今夜中に白黒はっきり着ける。この心意気は自ずと三人の共通の目的となっていた。その中でも…

マネーの鳥 「生活費」

司会Y「その男は、嘗て華々しく事業を展開し、数億円の年商を上げていました、 その頃の彼ならば間違いなく鳥側の席に坐っていたでしょう、 そんな彼が何故このような場に出て来たのでしょうか? そして一体鳥達 に何を訴えようと言うのでしょうか?」 生活…

まほろばの月  十三章     

一家では足が付く事を怖れ、探索する時は車は一切使わない。その事は今回のような不測の事態には幸いであった。阿弥は清吾と連携して裕司と波子の跡を追った。彼等が行くであろう場所はだいたい察しが付く。いくら冬とえども厚着で街を走り回ると汗をかく。…

マネーの鳥 「くそ旨食堂」

司会Y「その男は何が何でもくそ旨いものをお客様に提供したい、腕には絶対の自信が あると豪語します、彼がそう言い切る根拠は何処ににあるのでしょうか、鳥達 を肯かせる事は出来るのでしょうか」 くそ旨食堂 司会Y「どうぞ」 志願者「失礼します、九宗馬男…

まほろばの月  十二章 

絵に描いた餅、水に映る月。真実を掴もうとする事自体が所詮は無理な話かもしれない。波子への疑いが完全に晴れた訳ではないが、今宵の綺麗な月に依って心が洗われた阿弥はこれ以上の詮索は無駄だと思い、名古屋の子分達を全員連れて東京に帰った。 もし裏切…

有無の日 ~天神の日

五月晴れ 久しく映る 山並みよ(笑) いやいや、鬱陶しい天気が続く中、久しぶりに晴れ間が差したような気もしますが、それはそれで陽射しが眩しいと(笑) マスクを着けてその上サングラスまで掛けて外を歩くのは不審者に見られるのではないかと懸念してし…

まほろばの月  十一章

清吾が齎した急報は阿弥を震撼させたが名古屋の仕事を疎かにする訳には行かない。当初は余裕を持ってする筈だった仕事を急行する事にした。既に準備万端整えていたお陰で慌てる必要が無かった事は幸いであった。 だが頭(かしら)の仇討ちと言わんばかりに、…

まほろばの月  十章

阿弥が正月を名古屋で迎えたのには一応の理由があった。一つは一刻も早く名古屋入りし仕事に専念したいという気持ちと、もう一つは東京に居れば何時まで経っても英二の事が忘れられない、その未練をいち早く払拭したいという彼女なりの切実な願いであった。 …

まほろばの月  九章

人は死んだら星になると言われているが、英二の存在は星のような小さいものとは思えない。寧ろ満月のようなその大きい一家の大黒柱であった彼の力は惜しみてもあまりある。一同は暫くの間喪に服していた。 本名春藤英二、彼がヤクザから足を洗い一家に身を預…

マネーの鳥 「真・生活代行サービス」

司会Y「その男は、とにかく怠け者で何もしたくない、という己の欠点を逆手に取った逆転の発想から或るビジネスを思い付いたと言います、そんな怠け者にビジネスなど出来る筈が無い、という考え方は浅はかなのでしょうか? 自信漲るその表情には私も何か惹か…

まほろばの月  八章

時は来た。この1ヶ月余りで綿密に練り上げた策と清吾から得た情報を元に輝夜一家は動き出す。阿弥が下知を下す。 「行くぞ!」 その美しくも勇ましい一声に勢いづいた一行は疾風の如く素早い動きで出発し、霧のように姿を消したと思うと一瞬にして現場に到着…

マネーの鳥 「どこでもドア」

司会 Y「その男は、幼少の頃からドラえもんが好きで好きで仕方なかったと言います、 そして、成れるものならドラえもんに成りたいとさえ思っています、この世間 の一般常識から乖離したような考え方は稚拙で愚かなのでしょうか? それで も男は夢を捨てる事…

マネーの鳥 「立候補」

司会Y「その男は嘗てぇ、一瞬だけ芸能界に身を置いていた事があります。ですが余りにも短い期間だったので覚えている方は殆どいないと言っても良いでしょう。でもどうしても日の目を浴びたい、という想いから無謀にも大胆な発想を思い付きました。今宵彼はど…

マネーの獅子  ギャンブラー

晩春の 風情空しく 梅雨入りか(笑) 皆さんおはようございますヾ(^∇^)♪ しかし鬱陶しい天気が続きますね。この前まで菜種梅雨と言われていたのに今度は真の梅雨入りと、まだ5月中旬なのに早過ぎますよね。これも異常気象の影響なのでしょうか、とすれば「…

まほろばの月  七章

冬空に輝く月は殊更冷たく感じる。余り深く考えずに表の仕事に勤しんでいた波子ではあったがやはり一家や清吾の近況は気に掛かる。清吾と違い彼女の下には何の連絡も入って来ない。何れ謹慎は解ける訳だが淋しい気持ちは簡単には誤魔化せない。波子はただた…

まほろばの月  六章

一家で数々の策が講じられていた頃、清吾は頭に言われたように陰から尽力するよう隠密行動を開始する。彼が真っ先に目を付けたのは言うまでもなくヤミ金被害者の女性であった。 彼女達はただ遊ぶ金欲しさにヤミ金に手を出してしまった者もいれば、生活が困窮…

青春七五三 ~いちごの日

皆さんおはようございますヾ(^∇^)♪ いやいや、最近ブログ執筆を疎かにしてしまい応援して下さっている方々には本当に忝く、汗顔の至りです やはりブログは大切ですね。ブログ作成をサボった日は自分自身の誓を破っただけではなく、天を欺いた気持ちになり…

まほろばの月  五章

世に蔓延る半端な悪は法の目を掻い潜り私服を肥し未だにのうのうと生きている。何時の時代もその犠牲になるのは弱者である。それは世論は言うに及ばず輝夜一家にとっても由々しき事態であった。 阿弥は何時も思っていた。自分達がしている事は決して底の浅い…

まほろばの月  四章

疾風迅雷。阿弥率いる輝夜一家はその後も大阪、広島、福岡そして宮城と、この四場の仕事を計画通り一気に成功させ東京に帰って来た。今回の成果は総額8000万円と実に上々の出来であった。既に隠れ家には宴席が設けられ一行は旅の疲れを癒やすべく豪勢な料理…

まほろばの月  三章

清吾の憂慮も他所に時間は刻々と進み、冴え冴えとした月に見守られながら一行は出発した。 車の中でも清吾と波子は一切口を利かずにただ仕事の段取りだけを考えている。そうする事でしか気持ちを紛らわす事は出来ない。阿弥はあくまでも悠然と構えている。そ…

まほろばの月  二章

繋ぎ役を任された清吾は各地に散らばる一党に連絡を入れ段取りを告げる。親分の阿弥が率いる東京を皮切りに名古屋、大阪、広島、福岡、宮城といった順番で仕事に着手する。無論地方には阿弥自らが出向く。それまでに入念な、いや完璧な下調べをしておく事を…

まほろばの月  一章

日中燦然と照り輝く太陽に対し夜に冴え冴えしく映える月。太陽の陽射しが力強さの象徴とするならば、月の光彩は万物を優しく癒してくれる美の象徴にも思える。そういう意味では太陽は男で月は女と言っても過言ではない気さえする。 彼等が仕事に赴く時間帯は…

ヨーロッパ戦勝記念日 ~薬師縁日

薄曇り 舞う鯉のぼり 何想う(笑) いよいよ今日明日でGWも完全に終焉ですか~。つい十日程前に「GWの心得」なる記事を綴ったのが懐かしいぐらいですけど。本当に月日の経つのが早過ぎます。年老いた証拠ですかね。 ま~自分は子供の頃からこんな事ばかり言…

早熟の翳  最終話

人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し。とは言うもののこの時の誠也の足取りは余りにも重い。彼等との訣別、自分自身の人生観、色んな想いが錯綜する。ついさっき腹を割って話をする気になっていた筈がいざ足を踏み出すと身体が思うように進んではくれ…

早熟の翳  二十七話

誠也は以前と同様に林田先生に同行し仕事のアシスタントを担う。この日裁判所で公判が行われた後、先生は初めて誠也を飲みに誘った。その店は嘗て先生が世話をした元ヤクザの構成員が出所したから更正し夫婦で経営している居酒屋であった。 暖簾を潜り扉を開…

上級国民って何? ~感情の必要性

この件については触れるべきか否か大いに迷いましたが、やはり触れない訳には行きませんね。寧ろ触れる必要があるようにも思われるのですが。 先日公判が行われた池袋暴走事故。飯塚被告は相変わらず眠たい事ばかり抜かしていたみたいですけど、この人は言う…