冬空に輝く月は殊更冷たく感じる。余り深く考えずに表の仕事に勤しんでいた波子ではあったがやはり一家や清吾の近況は気に掛かる。清吾と違い彼女の下には何の連絡も入って来ない。何れ謹慎は解ける訳だが淋しい気持ちは簡単には誤魔化せない。波子はただた…
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