人生は花鳥風月

森羅万象様々なジャンルを名もなき男が日々の心の軌跡として綴る

約定の蜃気楼  六話

就寝前の祈祷を終えた真人は部屋に戻り床に就く。静かな修道院は彼を安眠させるのに十分だった。熟睡中の真人ではあったが久しぶりに夢の世界に誘われる。それは彼の今までの人生を振り返るような過去の経験が物語る夢であった。 真人は高校生の頃から交際し…

約定の蜃気楼  五話

窓外に見える外の風景は既に日が暮れかけ、一面に広がる野の草花は光の加減か紫色にも見える。そして少し強めに吹いて来た風は真人の逸る気持ちを一層駆り立てるような勢いがあった。 真人は指示されたように取り合えず料理をテーブルに運んで食事の支度を整…

RIZIN28 感想  ~無常感  

移り行く 夜は儚くも 無常かな(笑) おはようございます^^ いや~本当に月日の経つ早さには愕くばかりですね。もはや6月も中旬、あと半月もすれば7月、2ヶ月後は盆。そして盆が過ぎればまた正月と。 何処かで時を止めたいという衝動に駆られる事もありま…

約定の蜃気楼  四話

晴れ渡った蒼い空一面には無数のひつじ雲がまるで天かける星々のように果てしなく連なっており、その下には見渡す限りの緑の広野が拡がっていて、遙か彼方には微かに海までが見える。 草を食べながら悠々と歩く牛の姿や、香ばしい土の匂い、風に優しく揺らめ…

約定の蜃気楼  三話

相変わらず朗らかな瞳ではあったが湖を後にする時、何やら意味深な事を告げるのだった。 「あ、それとね、この湖は底なし沼なの、通称地獄の沼って言われてるわ、でも底まで辿り着く事が出来たら元の世界に帰れるという言い伝えもあるの、それが出来た人は今…

約定の蜃気楼  二話

翌朝目を覚ました真人は環境の違いに仰天した。天井がある、壁がある、床がある、窓がある、そして自分は布団に寝ている。ここは一体何処なんだ、昨日湖で会った老人はその後何処へ、訳が分からない。窓外に見える景色からしても恐らくここは家の2階であろう…

約定の蜃気楼  一話

あれからもうどのくらいの月日が経ったのだろう、幾日歩き続けていたのだろう。最期に物を食べたのは何時だったろう、昨日水を飲んだ気もする。でも大して空腹感もない。自分でも何がどうなってしまったのか分からない。唯一はっきり覚えている事といえば自…

まほろばの月  最終章

初志貫徹。今正に阿弥の本懐は成し遂げられた。積年の恨みであった目黒は阿弥本人の手に依って葬られ、ヤクザの大親分待鳥さえも抹殺された。この事は或る意味素晴らしい功績で、輝夜一家は一躍ヒーローになったといっても過言ではないような気もする。 まだ…

まほろばの月  二十六章

決行の刻(とき)は来た。午後7時過ぎ、既に日も暮れ天高く姿を現した半月を眺めながら仕事に赴く。一意専心。一行はただ阿弥が本懐を遂げる為のみにその身を賭して動き出すのであった。 手筈通り一家の者達を二手に分け、まずは山友会の待鳥宅を襲う組は椎…

主観性と客観性、二元論と多元論

風吹けば 心安らぐ 初夏の空(笑) いやいや、暑くなりましたね まだ6月上旬のこの時期に初夏というワードを用いる事は不本意ではありますが、この暑さでは致し方ないかなと思う次第です。せめて風が吹いてくれれば少しは涼しくなるのですが。自分は団扇で…

まほろばの月  二十五章

一殺多生。美子の死と、英二の遺言も空しく絶縁された清吾の処遇は一家にとって本当に功を奏するのだろうか。だが清吾は阿弥の事を全く恨みになど思っていない、それどころか阿弥が本懐を遂げる事を祈る清吾の想いは、波子や阿弥本人にも伝わって来るぐらい…

武神 <韓流時代劇>

キム・ジュンは何故イム・ヨンなる者を己が跡継ぎに考えていたのでしょうか。確かに彼には比類なき才能があったかもしれませんが、あくまでも物語の後半から知り合ったばかりの彼にそこまで惹かれるものでもあったのでしょうか。 結果二人は袂を分かつ事にな…

まほろばの月  二十四章

翌日、椎名は電光石火の如く迅速に仕事を終え、阿弥の下に吉報を齎す。彼は顔がボコボコに腫れあがった男を伴って勢いよく隠れ家に入って来た。 「阿弥よ、こいつが竜太を察に売ったんだよ、俺の方である程度は〆ておいたが、後はやりたいようにやってくれ」…

まほろばの月  二十三章

竜太は一晩留置所に泊まる事になりその後も執拗な尋問を受けていた。だが口の堅い一家のメンバーは堕とす事は至難の業で、警察の取り調べも苦戦を強いられていた。 そんな竜太に刑事は言う。 「流石と言いたい所だが、いい加減吐いてしまえよ、被害届も出て…

まほろばの月  二十二章

腐っても極道の端くれであった椎名はエンコを飛ばしたぐらいでは全く狼狽えなかった。阿弥が命じて用意させた氷にも手を浸そうとはしない。それどころか未だ不敵な笑みを浮かべながら阿弥に言うのだった。 「この勝負貰ったな、俺達の勝ちだぜ」 椎名のこの…

大阪弁と神戸弁(播州弁)の違い

梅雨空の 僅かな晴れ間 有難き(笑) 昨今は若者の、いや現代人の方言離れなども囁かれていますが自分としては嘆かわしい限りですね。方言こそ素晴らしい文化、歴史の象徴で、そこから多種多様の個性や面白さが生まれて来るとも思えるのですが、そういうもの…

まほろばの月  二十一章

隠れ家に帰った阿弥は本格的な作戦会議を開いたのだが、そこでは思わぬ凶報が齎された。警察が本気で動き出したのだというのだ。確かに想定内ではあった。いくら一家が義の為にして来た事とはいえ、その行為はあくまでも犯罪である。今まで誰一人としてお縄…

まほろばの月  二十章

波子に内々に調べさせていた目黒と山友会との間柄は実に醜く腐れ切ったものだった。山友会は目黒に対し多額の賄賂を贈っていた。それは当然目黒の選挙資金にもなるし、小遣いにもなる。その上、右翼団体などを使い敵対する候補者の選挙妨害や、己が身辺警護…

まほろばの月  十九章

無事仕事を終えた阿弥だったがその顔に笑みは無かった。椎名が最後に吐いた捨て台詞が気に掛かって仕方ない。彼はこう言っていた。 「今回は流石に完敗だな、しかしお前らも長くは持たねーぞ、うちの親分は黙ってねーだろうな、それにあの御方も付いてる事だ…

横浜港、長崎港開港記念日 ~オムレツの日

春情に 別れを告げる 水無月よ(笑) いよいよ六月になってしまいましたかぁ~。いやはや本当に早いですね。この前正月になったばかり、この前節分、雛祭り、桜の開花、端午の節句、GWと思っていましたが。それがもはや6月、早くも夏を思わせる気候ですけど…

まほろばの月  十八章

波子から合図を受けた五人の女達はいよいよ動き出す。時は午後10時半、金色に輝く満月の月灯りは優しく柔らかく、そしてあくまでも堂々と地上にあるもの全てを真正面から見据えているようだ。街はずれこの辺りは既に閑散としなくていて人影は全く無く、椎名…

まほろばの月  十七章

寒い冬に見る花鳥風月といえばやはり雪が思い浮かぶ。風花雪月、この日東京には雪が降っており、真っ白に染まった街は美しくも切なく、鳥は巣に籠り或いは南方へと避難し、雪が被さった花はその姿を潜め辛抱強く春の到来を待ちわびる。そんな中、太陽と月だ…

今週のお題 ~単なる好きな曲

今週のお題「わたしのプレイリスト」 五月晴れ 夏を想わす 暑さかな(笑) いやいや、暑いですね~。例年の如く春と秋は短いですね。この調子で行くと6月上旬には30℃を超えてしまいそうな感じもするのですが、天の時には勝てませんと という事で(どういう…

まほろばの月  十六章

裕司の死に依って昭然たるものとなった輝夜一家と友仁会との抗争はもはや避けられない。本職のヤクザと揉める事は一家の掟に反する訳だが、切迫する事態は一向に彼等に安らぎを与える事はなく、更なる奇策が求められた。当然まともにやり合ったのでは勝ち目…

まほろばの月  十五章

「清吾、港に行け」 「へい、分かりました」 真っすぐ隠れ家に帰ったのでは他の子分達に動揺を来たすと憂慮した阿弥には、港で裕司を始末する腹積もりが既に出来ていたのだった。清吾も波子も阿弥の気持ちは察していた。しかし阿弥の只事ならぬ真剣な眼差し…

まほろばの月  十四章

冬の日の短さは実に好都合だった。闇夜にあってこそ真価が発揮出来る彼等は自分のゾーンに入ったと言わんばかりに、今までとは打って変わって勇ましく動き出した。 今夜中に白黒はっきり着ける。この心意気は自ずと三人の共通の目的となっていた。その中でも…

マネーの鳥 「生活費」

司会Y「その男は、嘗て華々しく事業を展開し、数億円の年商を上げていました、 その頃の彼ならば間違いなく鳥側の席に坐っていたでしょう、 そんな彼が何故このような場に出て来たのでしょうか? そして一体鳥達 に何を訴えようと言うのでしょうか?」 生活…

まほろばの月  十三章     

一家では足が付く事を怖れ、探索する時は車は一切使わない。その事は今回のような不測の事態には幸いであった。阿弥は清吾と連携して裕司と波子の跡を追った。彼等が行くであろう場所はだいたい察しが付く。いくら冬とえども厚着で街を走り回ると汗をかく。…

マネーの鳥 「くそ旨食堂」

司会Y「その男は何が何でもくそ旨いものをお客様に提供したい、腕には絶対の自信が あると豪語します、彼がそう言い切る根拠は何処ににあるのでしょうか、鳥達 を肯かせる事は出来るのでしょうか」 くそ旨食堂 司会Y「どうぞ」 志願者「失礼します、九宗馬男…

まほろばの月  十二章 

絵に描いた餅、水に映る月。真実を掴もうとする事自体が所詮は無理な話かもしれない。波子への疑いが完全に晴れた訳ではないが、今宵の綺麗な月に依って心が洗われた阿弥はこれ以上の詮索は無駄だと思い、名古屋の子分達を全員連れて東京に帰った。 もし裏切…