人生は花鳥風月

森羅万象様々なジャンルを名もなき男が日々の心の軌跡として綴る

極道の妻たち 三代目姐

 
 三代目姐は本当に赤松の事を愛していたのか!? 真意は如何に!? ここが最大のポイントとは思いますけど。
 極妻シリーズで自分が一番好きな極道の妻たち 三代目姐」のレビューです。
 

あらすじ 

 坂西組の三代目組長、坂西武雄は病床に伏していた。妻の葉月が一万五千人余の組員を抱えて切り盛りしていたのだが、組長代行の舎弟頭、寺田は組の企業化を進めて四代目を狙っている。

 そんな或る日若頭補佐、赤松が出所して来る。武闘派極道の赤松と組織の近代化を図る寺田、それを操る三代目姐の思惑。

  この三者の争いは不可避なのか。虚々実々の戦いの先にあるものは。
 

 キャスト 

 三田佳子:坂西葉月(三代目姐)

丹波哲郎:坂西武雄

かたせ梨乃:野方操

坂上忍:荒木太

小西博之:明神孝弘

財前直見花井美里

浜田晃:木曽忠久

綿引勝彦:阿波隆行

西川峰子:阿波友見

成田三樹夫:寺田竜吉

萩原健一:赤松徹郎

 

見どころ

 とにかくショーケンがカッコいい! これに尽きますね。ニヒルというか渋いというか、ショーケン(赤松)の仕種といい佇まい、表情、演技、全てがカッコ良過ぎます。
 シリーズ全般通してもこの作品にしても任侠映画の割にはバイオレンスなシーンは少ない んですよね。でもそれにも勝るバイオレンスなやり取り、駆け引きは実に迫力があって面白いですね。
 具体的に言うと物語の冒頭でショーケン成田三樹夫とのやり取りは絶妙です。
赤松「叔父貴、盃っちゅうもんは腹と腹でやるもんね」
寺田「お前も若いの~、ええか、極道の盃は一種の契約や! 取引のつもりで利用したらええんやないけ、それが現代流ちゅうもんや」
赤松「叔父貴、引退したらどうでっしゃろ、あんじょうしまっせ、契約やとか取引きやとか~、その辺の地べた屋のおっさんと変われへんがな」
寺田「あほんだら!」
 
 中盤、幹部会にて関東の新参者を幹部会入りさせようとする寺田に対し、反対意見を述べる赤松一派、でも赤松は沈黙を守っています。そんな中
「赤松はん、何で黙っとんや? 何か言う事無いんか?」
 すると赤松は静かに口を開きます。そして
「議長、ケツ取ろやないけ!」
 たったこれだけで終わるのですが、この台詞回しが最高にカッコいいんですよね~🤣
 勿論赤松にも策があったんでしょうけど、この言い方が何とも言えません。渋過ぎます。最高ですね^^
 
  とにかくショーケンの芝居は最高としか言いようがありません。あと三田佳子も色っぽいですよね。赤松を愛していたとは思いますが、三代目姐としての真意はどうだったんでしょうか。かたせ梨乃の妖艶さ、成田三樹夫のヤクザ役も流石ですよね。
 

 最後に

 今時ヤクザ映画なんか、と思われる人も多いとは思いますが、自分は何時も思います。ヤクザ映画としてはではなく、一つの物語として、あくまでも人間ドラマとして面白いんですよね。だからいくらヤクザものが好きとはいえ下らない作品もいくらでもあります。たまたま自分が好きだったものの中にヤクザ映画、任侠映画が多かったというだけの話なんですよね。
 極妻シリーズではこの「三代目姐」がダントツの一位で、次が「最後の戦い」ですね。後は・・・・・・と(笑)
 それと映画の最後に流れるアンナバナナの「NEL TUO SOGONO」という曲がまた良いんですよね~。この物語にピッタリといった感じの切ない曲調は最高ですね ✨
 
 
 
  という事で拙い映画レビューでしたが、自分としては今の温(ぬる)~い風潮に一石を投じるような面白い任侠映画を作って欲しい所ですね。相変わらずのこの時代錯誤な考え方にも困ったものですけど(笑)